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みんなで地球を助けよう⑦:燃料電池をご存知ですか?

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水素は、化石燃料に代わる主力燃料として非常に有望だと思っています。

しかし、水素が、温室効果ガスの排出を削減する救世主になるためには、水素を作りだす方法に課題があること、もう一つは、経済合理性、つまり安く電気を供給できるかが課題です。

その2つの課題は、原子力発電で水素を作ることが解決策になるのではないかと、グリーン成長戦略の中にこっそり書かれていました。

是非、こっそりではなく、日本の将来のために政治家自身が勉強をして原子力の安全利用の議論を国民の前に示してほしいと思います。

そうしないと、せっかく築いてきた日本の競争力をさらに低下させてしまいます。

さて水素利用に関して、今回から「燃料電池」について見ていきましょう。

✅燃料電池は自動車利用だけでないよ!

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2016年水素基本戦略より抜粋・加工

2016年12月26日、再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議に示された水素基本戦略の段階で大きな期待を寄せていたのは、都市ガスを改質して家庭で「水素」を作り出すエネファームでした。

「家庭のコージェネレーションシステム」エネファームを見ていくことにしましょう。

燃料電池は、水素を酸素に反応させて電気を作り、水を廃棄物として吐き出す、二酸化炭素フリーの電気製造技術です。

2016年当時、都市ガスから水素をつくり酸素と反応させて、家庭で電気と熱を作り出すエネファームに政府は期待していました。

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都市ガスから作る水素で家庭の電力と給湯を賄うというのが、エネファームです。

2016年12月26日の水素基本戦略では、全世帯の10%、530万世帯にエネファームを導入する計画が示されていました。

ところが、2016年12月と言えば、あの人が、米国大統領選挙に勝ち第45代大統領に選ばれた選挙直後のことでした。その人は、「地球温暖化の否定」「パリ協定からの離脱」を仄めかしていた時期でした。

政府の水素基本戦略にもトランプさんの影響はあったと思われます。

なぜならば、2020年11月23日に菅首相が表明した「2050年に温室効果ガスを実質ゼロにする」という野心的な目標とは異なり、やれそうなことを積み上げた現実的な計画が「エネファームの普及」であったのです。

エネファームが、政府にとってありがたいのは、都市ガスの既存インフラが使えることです。

既得権益者にありがたく、イノベーションに期待しなくても産業構造にメスをいれなくてもやれそうな施策で、ガラパゴス日本には、ぴったりの二酸化炭素削減策になると考えたのだと思えます。

しかし、やる気が見えなった4年間の結果は、エネファームの普及も燃料電池の普及にも進みませんでした。

✅今となっては普及させづらくなったエネファーム

エネファームは、水素を使って発電する際には二酸化炭素を排出しないものの都市ガスから水素を取り出す過程では、二酸化炭素を排出します。

しかし、家庭で発電と給湯のコージェネレーションシステムを実現することで、石炭火力発電所の発電に比べて、二酸化炭素排出削減効果があるという理屈で過渡期政策(トランジッション)としては推進すべきでした。

トランプさんに遠慮していたのかもしれません。

しかし、世界全体で2050年までに温室効果ガスをゼロにすると言い出した今となっては、二酸化炭素を排出する都市ガスの改質ではトランジッションとしても不十分な対策になってしまいました。

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政府の水素基本戦略とは別に、家庭サイドから見たエネファームのメリット・デメリットを書いてみました。👆

送電ロスがないので、エネルギー効率が上がり、二酸化炭素排出量を火力発電所の電力利用に比べて、抑えられます。

利用者にとっては環境貢献に対する満足度はあっても、現状では経済的なメリットはないようです。

燃料電池を家庭に普及しようという動機は良かったと思います。

だけど、都市ガス網があり、インフラコストが掛からない上に産業構造も今のままでいいので、ちょっと二酸化炭素を減らせればいいんじゃないか?という消極的な考え方が駄目だったと思います。


✅今からでも遅くないから燃料電池を極めようよ⁉

今になっては、電源構成における原子力や再エネ比率の低さに出遅れ感があることは、世界中で進んでいる再エネ化や電化の競争においては大きなハンデになりました。

世界の誰も都市ガス改質のエネファームなんて言っていません。世界はエコキュートのヒートポンプに行っています。

トランプさんが破れてバイデン大統領になった途端、日本政府は「グリーン成長戦略」を発表しました。

一気に、2050年までに温室効果ガスをゼロにするとの方針転換です。

だけど、どうやってクリーンな電力を確保するのでしょうか?

「水素」は有望ですが、その水素をどうやって作るのでしょうか?

都市ガスの改質では、二酸化炭素を排出してしまいます。

しかし、燃料電池は、素晴らしい技術だと思います。

たとえ都市ガスを改質して水素を製造したのでは二酸化炭素を吐き出すとしても、過渡期措置として、既存インフラを使って水素を製造するエネファームを日本は捨てていいのでしょうか?

どういうロードマップで温室効果ガスをゼロにするのでしょうか?

エネファーム530万台計画の今後は?
水素をどうやって作るかのか?

是非、皆さんも興味をもって、政府方針変化を見ていってくださいね。

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