おじさんおかあさん

いくつになっても迷える羊。齢50を過ぎてなお、何者かにならんと将来を考えてしまう。人物取材・ライティングを約20年。これからは他の誰かではなく、私自身をもう少し大切に。

おじさんおかあさん

いくつになっても迷える羊。齢50を過ぎてなお、何者かにならんと将来を考えてしまう。人物取材・ライティングを約20年。これからは他の誰かではなく、私自身をもう少し大切に。

最近の記事

ミッドライフクライシス

時折、怒涛のように襲ってくる虚無感に名前があることを数日前に知った。ミッドライフクライシス。そうだったのか、みんなそうなのか、私もそうだったのかと気持ちが晴れた。この言いようもない寂しさ、生きていることの意味のなさを考えてしまう思考に名前があり、同世代の男女が同じ悩みを抱えていると知り、励まされた。これまで同世代の他人にシンパシーを感じることはあまりなかったけれど、一気に、勝手に仲間感を抱き、勝手に支えられている気持ちになっている。なんとなく光が見えた気になってはいるが、老い

    • 私の犬はとても臆病だ

      犬と新しい人生の一歩を踏み出す。そう決めたのはいいが、私たちにとってこれは意外と困難だった。いや、現在も困難継続中である。ペット可のマンションとはいえ、共用廊下やエレベーターは原則抱っこ。愛犬は中型犬だからまあ重い。私の腰が悲鳴を上げるのも時間の問題ではなかろうか。現状はまだ大丈夫なのですが。しかし、問題は彼の重さだけではなかった。元野犬という出自だからか、異常なほどに物音、人影に敏感で小さな変化にいちいち驚き立ち止まる。運悪くエレベーターが到着するのが遅ければ、待っている間

      • 誰かの親を卒業したい

        20代後半からずっと、休みなく誰かの親であり続け、54歳。ついに解放される時が来た。親であることに変わりはないが、やっと自分自身を生きられる。しかし、約30年も体に染みついた親としての生き方はそう簡単には変えられない。色々衰え、頭も体も老いている。何より、常に自分以外を優先してきた生活から急に解き放たれても、心はすぐにそれを楽しめない。これは自分でも驚き。私、もっと自分の人生を謳歌できると思っていたわ。ごはんをつくる、洗濯する、畳む、しまう。些細なことの全部が自分だけのためで