軍歌「雪の進軍」

「雪の進軍」は、従軍軍楽隊員であった永井建子が日清戦争時に作詞・作曲した日本の軍歌。

日清戦争が勃発すると永井建子は大山巌大将の率いる第二軍司令部附軍楽隊の軍楽次長として出征し、金州・旅順や威海衛を転戦した。

その中でも威海衛の戦いに参加した際、その体験をもとに1895年2月中旬ごろに作曲した軍歌が「雪の進軍」である。

この時日本軍の兵士は雪中で飢えや寒さで苦しんでいて、永井はこの様子をつぶさに観察して作曲したとされる。

映画「八甲田山」で高倉健演ずる徳島大尉が「軍歌、雪の進軍」と号令し雪の進軍を歌いながら雪中行軍するシーンは印象的である。

私も吹雪に遭う中で雪の進軍を歌いながら鼓舞して歩いたものだ。

元帥陸軍大将大山巌は臨終の際、軍歌雪の進軍のレコードをかけさせて世を去った。

雪の進軍

雪の進軍氷をふんで どれが河やら道さえ知れず
馬は斃れる捨ててもおけず 此処は何処(いずこ)ぞ皆敵の国
ままよ大胆一服やれば 頼み少なや煙草が二本

焼かぬ干物に半煮え飯に なまじ生命(いのち)のあるそのうちは
こらえ切れない寒さの焚火 けむいはずだよ生木が燻る
渋い顔して功名談(ばなし) すいというのは梅干一つ

着の身着のまま気楽な臥所(ふしど) 背嚢枕に外套かぶりゃ
背(せな)の温みで雪解けかかる 夜具の黍殻しっぽり濡れて
結びかねたる露営の夢を 月は冷たく顔覗きこむ

命捧げて出てきた身ゆえ 死ぬる覚悟で吶喊(とっかん)すれど
武運拙(つたな)く討ち死にせねば 義理にからめた恤兵(じゅっぺい)真綿
そろりそろりと首締めかかる どうせ生かして還さぬつもり

いいなと思ったら応援しよう!

戦車兵
チップありがとうございます!!無理なさらず御覧頂けたら幸いです。