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演習場に侵入した一般人

もう30年以上前の北海道の札幌郊外の某演習場の話。

確かあれは春先だったと思う。
余り大きくない演習場なので戦車でこの地域で訓練することは少ない。
大きくないとは言っても演習場だそこそこの面積はある。
小火器射撃場とかいろんな射撃場があったり戦車の縮射射撃場もあったりして戦車が走り回るには手狭なのだろう。

そこではいろんな部隊が訓練もしているし、戦車が走ると危険なのだ。
なので普段はもっと大きな演習場で訓練する。

野営中も演習場の中とは言え戦車の周辺は「不寝番」を置き監視している。
理由は演習場へ侵入した一般人が悪さしないためだ。

朝、演習準備をしていると状況開始前なのに突然小銃の空包射撃が始まった。

いたるところで小銃が撃たれた。
「え!他部隊が演習してるの?」と驚いた、直近くで空包を撃っている。

しかも小銃を空に向けて・・・・。

「なんだろう・・・」と思っていたら・・・・演習場内のあっちこっちから一般人が出て来る出て来る・・・・・一般人の立ち入り禁止なのだが・・・。

山菜採りのおばさん、モトクロスのバイクに乗った男、自衛隊の迷彩服じゃないモデルガンを持ったサバゲ―マー・・・・こんなに演習場に隠れてたんだ・・・。

さすがに都会の演習場だ。

大きな演習場でも早朝に戦車で走っていると一般人が慌てて走って逃げるのを見ることはある。

こんな小さな演習場で隠れて居たら戦車は道路だけを走る訳じゃないので戦車で轢いてしまったかも知れないとぞっとした。

空包射撃していたのはそんな一般人が隠れていられないように「追い立てて」いたようだ。

だからこの演習場で戦車の訓練はあまりしないんだ・・・と変に納得した。

都会の演習場の流儀というか・・・状況前から激しい空包射撃の理由が侵入者対策とは・・・・。

本当に演習場内の侵入は危ない、戦車は空包だって撃つし道なき場所にも突っ込んでくるし不法侵入で隠れて居たら大変なことになる。

良い子も悪い子も演習場への侵入はダメだぞ!!

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