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自衛隊とさっぽろ雪まつり その1

さっぽろ雪まつりは自衛隊なくしては語れない。

以前は真駒内駐屯地も雪まつり会場であった。
今は会場ではなくなった。

様々な理由があるが札幌市や札幌市長は自衛隊に協力的ではない。

前の札幌市長は民主党の市長で・・・・この時代に自衛隊は一気に雪まつりから撤退し真駒内会場も無くなった。

真駒内会場には大雪像も大通りより大きく、巨大な雪像の滑り台も大人気で長蛇の列が出来ていた。

第十一師団(当時、今は11旅団)各部隊が雪像を製作していた。
我が戦車大隊は大通公園の4丁目で大雪像を製作していて、毎朝朝早くに駐屯地を出発していた。

大都市札幌の中心街へ車輛で行くと通勤ラッシュにぶつかるので、朝早くに出発するのだ。

服装もかなりやかましく、大通公園は観光客も多いしトイレも気を使って行く。

年末年始休暇が終わると冬季の訓練である、スキー等の冬季戦技の訓練も忙しく、雪像製作に人員も割かれて・・・春まで休みなんて取れないのであった。

雪まつり開催中深夜に夜間修復作業する自衛隊

雪像製作が終わると、期間中は雪が降ると雪像の除雪を夜間に行い、暖かいと溶けた雪像の補修・修復を自衛隊が行っている。

雪まつりが終わると溜まった宿題をやるように、冬季の訓練が一気に行われる。
演習場は誰でもいつでも使える訳ではなく、周辺部隊との調整なので春まで雪が溶けてしまわない内に冬季の訓練をするのだ。

雪像製作が無ければ・・・と思うこともしばしばであった。
雪像製作が終われば帰宅ラッシュの中、渋滞の中を帰隊し、冷たくなった食事を飯盒で配食され急いで食べ、そこからスキーを担ぎ急いでスキーで走る訓練をするのだ。

急いでやらないと風呂に入れない。

若い隊員は部屋の清掃やら靴磨きやら・・・。

消灯で眠ったらと思ったら午前5時には起こされて・・・。

雪像製作って自衛隊の仕事か?っとよく思ったものだ。

札幌の重要な観光資源でも雪まつりだが、自衛隊の人手不足は深刻で、入隊者の激減は少子化もあってどうにもならないところまで来ている。

雪まつりの雪像製作は、雪まつり期間中だけでなく、専従員となる雪像製作隊が組織され、かなり前から準備されているのだ。

詳細な打ち合わせや調整も必要だし、雪像製作のための準備は大変なのだ。

勝手に作る雪像を決めて製作している訳ではない。

大雪像を制作する自衛隊員

一般企業、市役所、自衛隊が一緒になって製作するのである。

こういうのは自衛隊では訓練も教育も無い分野で得難い「実戦」でもある。

こういう点では重要な「訓練」とも言える。

広報とかマスコミとかの対応もしていたり、そういうの自衛隊では中々ないからね。

なので、雪まつりが自衛隊に意味が無いとは決して思わない。

雪像製作は野戦築城のノウハウもあって作業工程は正しく野戦築城なのだから。

ただ・・・雪像製作をこれだけやって自衛隊にもメリットが無いと・・・とは思う。

それは広報としての役割だ。

自衛隊が製作したとアピールしても「なんで自衛隊が雪像作るの?暇なの?」と国民に思われたり、自衛隊が製作していること自体知られていなかったりする。

苦労して自衛隊が雪像を製作していて・・・知られてもいないとは・・・。

その2へつづく

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戦車兵
チップありがとうございます!!無理なさらず御覧頂けたら幸いです。