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怪談「バス停」

近所のバス停の話。

私は滅多にバスに乗らない。
たまーーに乗るバス停は空港へ直通とかそういうバスで路面バスはほとんど乗らない。

なのでバス停についてはあまり知らなかったのだが、屋根のあるバス停の停留所の小屋があったのが消えていた。

北海道の冬は雪が降り、雨風風雪から護られる場所は大事なのだが・・・。

怖い話が好きなのでそういう話ない?といろんな人に聴く癖があるのだが、意外にもバス停の待合所が無くなった理由を聴いた。

その場所の直ぐ近くで数年前にバスに轢かれて老婆が事故死したことがあった。
バス停の前ではないが、近くの交差点である。
実はこの交差点で出るという話は以前から聴いていたし、見える子が指をさして「おばあちゃん怖い顔して睨んでいるよ、怖いよー」って泣いているのを見たことがある。
母親が「やめなさい、黙りなさい」と困った顔をしていた。

「いるんだな・・・見えているんだ・・・」と思ってゾクっと背筋が凍り付いたことがある。

もう少し大きな少女がやはり同じようなことを信号待ちに言っていたのもあって・・・・。
見えないことの幸せを噛み締めたことがある。

その老婆の幽霊と思われる者がバス停の待合所に座ってバスを停めることが多くなり、バス運転手が怖がりバス会社がバス停留所を撤去したのだという。

座っていたのか・・・。
でも立っていたらバス止まるよね?

その時はどうするんだろうと思った。

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戦車兵
チップありがとうございます!!無理なさらず御覧頂けたら幸いです。