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「あ!」を撮る〜写真のはじまり〜

はじめまして、ケンチャニズムです。

みなさんは、どういう時にカメラを取り出して写真を撮ろうと思いますか?
たぶん、何かしら「あ!」と思ったから、その場面なり瞬間を写真に収めようとするのではないでしょうか。
(もちろん、ただ形式的に、無感動に撮るということもあると思いますが)

「あ!」を撮る。
それが写真のはじまりであり、基本だと思います。

だけど、写真の勉強を初めて、カメラの使い方がどうだとか、構図がどうだとか、機材が、レンズが、色味が、ロケーションが、最近流行っている写真の傾向がどうだとかやっているうちに、

「あれ、自分ってなんのために写真を取っているんだっけ?」
「自分らしい写真ってなんだろう?」

といった疑問が湧いてきたりしませんか?
何を隠そう、僕がそうでした。

振り返ってみたら、そういう時は外側の形式的なものにばかり目がいってしまって、自分の中の《基準》が不明瞭であったように感じます。

それではどうしたら自分の軸、さらにいうと自分の美学と呼べるものをつくることができるようになるのか?

その第一歩として、僕の師匠である写真家の鈴木心さんは「あ!」を撮るという基本を強調されていました。

「あ!」に注目することで見えてくること

生活していて、街を歩いていて、自分が何に「あ!」と思うのか?
どんな被写体に惹かれるのか?
自分がおもしろいと感じるポイントは何か?

そうやって世界を観察し、写真で切り取っていく行為は、実は自分自身と対話しているのだとも言えます。

「もじゃもじゃ」 shot on GR3
「影の濃さが色々」shot on GR3
「シャキシャキな線」shot on GR3


「あ!」と思ったというは、言い換えると、そこが一番見せたい点だということです。
だからこそ、なぜその点に「あ!」と感じているのかを、心の内にでもいいので具体的に言葉にしてみるのがおすすめです。
毎回するのは少し大変ですが、点の解像度が上がっていくはずです!

「写真はスポーツだ!」 by 鈴木心

心さんは「写真はスポーツだ」とよくおっしゃいます。
撮影時に「あ!」を意識するのは、スポーツでいうところのストレッチに当たるものではないかと僕は思っています。

心さんのもとで写真を学びながら、自分の「あ!」に自覚的になることを叩き込まれました。
見飽きているような道でも、「あ!」を探してみる。
どうしても「あ!」と思えないなら、逆に何がおもしろくないのかを考えてみるのもいいと思います。
僕もそういったことを反復するうちに、以前より「あ!」に反応できるようになって、日常生活でキョロキョロするだけでも楽しくなりました。

こうなってくると、カメラがなくても写真の練習ができるということに気付きます。
人と話をしていても、本を読んでいても、移動中のふとした瞬間にも「あ!」と思うことがあるからです。
違いと言えば、カメラのシャッターを切るか、目のシャッターを切るかだけ。

もちろん、それだけで《自分らしい写真》が撮れるようになるわけではありません。
だけど、「あ!」を撮るということは写真のはじまりであり根源ですので、自分らしさを見つけるための手がかりになるはずです。

カメラを買ったばかりで何を撮ったらいいのかわからないという方はもちろんのこと、自分らしい表現がわからないと悩まれている方ならなおさら、自分の「あ!」を意識してスナップをしてみてはいかがでしょうか?


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