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ライティングを学ぶだけで写真が変わった!
「自分で家族写真を撮れるようになりたい」
第一子が生まれたのを機にそう思うようになりました。
写真自体は趣味でよく撮っていたので好きだったのですが、「写真館に行く」ということに関しては昔から抵抗感がありました。
そこで「それなら自分で撮れるようになったらいいじゃないか」という単純な考えのもと、写真家・鈴木心さんのライティング講座を受講してみることにしました。
もちろん、あわよくば、「お代をいただいて撮影させていただけるようになりたい」というもくろみもありましたよ!
心さんといえば、日本で生活していれば一度は見たことある有名な広告写真も手掛けれられている写真家さんです。
そして、心さんのもとでライティングを学ぼうとする人たちは、僕を含めて、「鈴木心写真館のような、自然な表情を撮れるようになりたい」という思いをもって集まってきます。
ただ、残念なことに適切にライトをセッティングできたからといって被写体の方の表情がパァ〜と明るくなるわけではありません(そうだったらいいのですが)。
つまり、当然といったら当然なのですが、ライティングできるようになったからといって自然な表情を撮れるようになるわけではないのです。
なので、心さんからは、ただ技術的にライティングができるようになるだけでなく、いかに記録写真を残す体験を楽しいものにできるのかが問われ続けましたし、それは今でもそうです。
ケンチャニズムによるライティングレポート
今回の記事では、僕が受講していた時に作成した資料をもとにして、ライティングのセッティング方法について解説しようと思います。
心さんのライティング講座では、ライティングの基本的な原理を学ぶために、ホームセンターでも買える電球と、トレーシングペーパー(以下、トレペ)で光を調整していきます。
(その他にも細々としたものがあるのですが、今回は割愛させていただきます)
ライティングを組み立てる過程は、おおまかに次の6ステップになります。
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トレペがない状態でライティングすると、明るい所と暗い所のコントラストが高く、ガビガビして荒々しいイメージになってしまいます。
そこで電球の前にトレペをたらすと、光が紙を通過しながら拡散することでコントラストが弱まり、柔らかな印象になっていきます。
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それでは「バキバキコントラスト」状態から「まあ悪くない」状態にもっていく過程を順番に見ていこうと思います。
第1ステップ:「影の配置」を決める
ライティングの位置を調整します。この時は二人撮影でしたので、いつもよりも気持ち正面(フロント)にセットしました。
影で注目するのは①左目、②鼻筋、③鼻下、④左頬です。
人によって顔の形が違うので、その人にあったライトの角度を探る必要があります。
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第2ステップ:適正露出をとる
ライトの角度が決まれば、次は適正露出をとります。
明るさの調整はライトを被写体に近づけたり、離したりして調整します。
適正露出はテザー撮影をすると合わせやすくなるのでおすすめです。
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第3ステップ:トレペの投入
ライトの前にトレペを置くと、光が拡散されることで明るさが抑えられ、暗いところが持ち上がります。ただ、ライトとトレペが近すぎると拡散が弱まってしまうので、ライトとトレペの間の距離を調整する必要があります。
コツとしては、トレペ越しにみてライトの芯を若干残しつつ、全体的にぼかすようにするのですが、これがけっこう難しいです。
ただ、その過程で光の変化を実感できるので、ライティングの仕組みの理解が深まります。
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第4ステップ:ライトとトレペの位置の微調整
この微調整が難しくもあり、楽しい部分でもあるのですが、ライトを近づけたり、トレペをライトから離したりしながら、影にグラデーションをつくります。影のグラデーションがなめらかになると、顔の立体感が増しますし、上品な印象にすることができます。
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第5ステップ:構図を整理する
ライティングの調整が終わったら、次は構図を整理していきます。
余計な空間をなくすことで、見せたいところにより目がいくようになります。二人以上の撮影の場合は、頬をくっつけてもらうことで、表情に視線がいくようになり、ギュッと感が増します。
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第6ステップ:表情を狙う
ここまできたら、あとは表情を狙うためにコミュニケーションを図ります。
質問でボケたり、コール&レスポンスしてみたり、その場のノリですね。
これがまた難しいところでもあるのですが、楽しいところでもあります。
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最後に
今回の解説はケンチャニズムによるレポートですので、あくまで参考までにしていただけましたら幸いです。
この他にも、窓から入る光や壁からの反射などがないよう環境づくりをしたり、トレペのセッティングにもクセがあったりと、細々と考えなければならないことが沢山あります。
ライティングの実演は心さんのYouTubeでも見れますし、単発のライティングワークショップも開催されていますので、そこに参加されてみるのもいいと思います。
百聞は一見にしかずですので!
それでは楽しいライティングライフを🫡