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河合優実の存在感は、ただごとではない。


【河合優実が面白い】

河合優実主演の2本の映画を観た。
「ナミビアの砂漠」(山中瑤子監督)と「あんのこと」(入江悠監督)。
どちらも河合優実の存在感が、ただごとで無い。
テレビの「不適切にもほどがある」でも面白かったし。
注目を集めるのも、納得ですよね。


【ナミビアの砂漠】

「ナミビアの砂漠」のヒロイン・カナは、嘘つきで、浮気も平気だし、
喧嘩をふっかけるし、ダラダラ生きるし。
日本映画のヒロインとしては珍しいかな??
「あらくれ」(成瀬巳喜男監督)の高峰秀子や
「清作の妻」(増村保造監督)の若尾文子、
「大地の子守唄」(これも増村保造監督)の原田美枝子、
「偽れる盛装」(吉村公三郎監督)の京マチ子なんかも不機嫌だったケド、
ちょっと種類が違うか。
「月曜日のユカ」(中平康監督)のユカには、ちょっと近しいかも??
(これは1964年の映画。加賀まりこ演じる主人公のユカは、虚無的な感じですが)

そういう意味では、カナは「今っぽい」の、か?

21歳のカナを61歳の私が理解できるとは思えないし、
(年齢でくくるのは違うか)
近くにいたら、イライラするだろーなー、とも思う💦
だけど、遠くで見ている分には、面白く思えるのかもしれない…。
このカラッポさ、自由さ、軽さ、でも悩みも多そう、なカナ。
働いているのが、脱毛クリニック。っていうのも、なんか絶妙な設定なような。
やらなくてもいいのに、やる行為という意味で。(個人の感想ですが…)

浮気して、男を乗り換えて、自由で良さそうだけど、
自分のことは嫌いなのかな??
如何ともし難い、
自分の本性と共に生きていかざるを得ないヒロインなんでしょうか。
よくは分からないケド、魅力的。
そんなカナの生態を見つめ続ける時間でした。
これがなかなか興味深いンですよね。
YouTubeで見られるという「ナミビアの砂漠」
(タイトルにあるから、そうなんだろう、くらいの認識でしたが)の映像も、
うまく説明はできないケド、印象的。


【あんのこと】

こっちのヒロイン、杏も不機嫌。
それもそのはず、
こちらは12歳の頃から母親に売春を強要され、
リストカットを繰り返し、麻薬常習で…、と、もうタイヘンな事に。
でも、熱血刑事の多々羅と出会い、そんな地獄からの脱出を計るが、
というような物語。
コロナの頃の実際のニュースから、監督が発案した映画だそうです。
まぁ、ダルデンヌ兄弟か、ケン・ローチか、
というような厳しい世界観の作品でした。
でも、河合優実は、ここでも確かな存在感を放っていましたね。

鬼畜のような母親の描写が凄くて。
河井青葉という役者さん。
「偶然と想像」では、あんなに爽やかな市井の人だったのに。
役者さんって凄い…。

救われたり、裏切られたり、コロナのために孤立したり、
あるものを押し付けられて困惑したり。
杏はジェットコースターみたいな時間を過ごします。
その浮き沈みを、河合優実は、見事に演じていたと思います。

杏の周囲の大人の表現が、
ちょっと納得いかないところもある映画でしたかね、個人的には。
稲垣吾郎演じる記者と早見あかり演じる一児の母の言葉は、どうなの??

【河合優実の、今後に期待大】

あまり作品を把握しきれていないような気もする今回。
でも、
河合優実の魅力だけは受け取りました😅
この人、「由宇子の天秤」にも出てたのか。
やるなぁ。
CMなんかにも、やたらと起用されているようですが、
色々な事に押しつぶされず、
若尾文子なみに大成してくれることを祈りたいです!!

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Takashi Hashiwaki
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