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「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」 なかなか興味深し。

【どうやって見るのかと思ったら】

「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」
川内有緒:著

映画があることは知っていました。
どうやって全盲の人がアートを見るのか?
と思っていたら、
一緒に行った人が、
「これはどういう作品か、を語って聞かせる」
のを受け止める。
という鑑賞の仕方でした。
なるほどなぁ。


【百聞は一見をしのぐ?】

説明する人が複数だと、重層的になって、
また興味深さが増すらしい。
当然、アートの見方は、一つではないから。

「百聞は一見をしのぐ」
という言葉も出てきて、それも面白かった。
そして、
「アート、美術の見方、受け取り方に正解はない。
 自由で良いのだ。」
ということも、改めて知ることでした。

【知らないアートが、わさわさ】

知らない名前も続々と。
ピエール・ボナール。
クリスチャン・ボルタンスキー。
フェリックス・ゴンザレス=トレス。
大竹伸朗。(この名前は知ってた)
エドワード・ホッパー。
折元立身。
はじまりの美術館。
黒部市美術館。などなど。
(ここの展示の紹介ブロックで、黒部ダム建設の時、数多くの朝鮮・韓国人労働者が亡くなっていることを、初めて知った)

知らないことを教えてもらって、ありがたい。

【全盲の人との付き合い】

全盲の白鳥さんとの付き合い方や距離感が、
色々な局面を経て、変わったりしていくのも興味深かったです。
私は以前、
ブラインドサッカー選手の黒田智成さんのドキュメンタリーを
制作したことがありまして、
その驚異的な身体能力に驚かされたことがあります。
そして、様々なことを考えた。
(「盲目のストライカー 世界へ ブラインドサッカー日本代表 戦いの軌跡」
 という作品です。WOWOWで放送。機会があったら、ぜひ見て欲しいです😁)

全盲の方に、どう接したら良いのか。
色々と思考したり、戸惑ったりしながら進む作者、川内さんは、
とても真摯な人なんだろうな。

【未知との遭遇は、大事】

知らないことと出会うのって、本当に大事。
一度、手に取っていただきたい本でした。
とても楽しく読めますよ!!

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Takashi Hashiwaki
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