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『ウソ婚』の世界はどうして八重ちゃんほどの芯のある女性に対して見る目が無いのか?

さて、『ウソ婚』第3話、観ましたよ。

今回は安心してみてます、菊池風磨出演ドラマ。

いえ、風磨くんがどうのこうのじゃなくて、前回のドラマがですね、こういろんな意味で観られなくなるってのなかったですか?

  • 要因1:ド深夜帯だったのでリアタイできずに寝てしまい、翌朝満員電車の中でTVerで観ようとしたらふいうちのベッドシーンだったので大急ぎで画面を閉じた

  • 要因2:甘々な見せ場が多く作ってあるのでいちいち恥ずかしくなる

  • 要因3:賞味期限が過ぎた年上女性と10歳年下男子、という設定があまりにも現実とかけ離れすぎて白けてしまう

あとはお子さんがいてるところで見られないとか30過ぎて独身の人とはこのドラマの話題しにくいとかまぁ人それぞれいろいろあるでしょうよ。

しょせんドラマは夢物語なんだからどれだけ現実離れしてようがストレス解消に観ればいいじゃん!なんですが。

ほんと、あれこそ山田くんの出る幕だったのよ。

山田くんって夢物語男子でいけるけど、風磨くんド現実キャラでしょ?

たぶん誰も悪くない、たまたまキャスティングがちょっと……。

第2話の「匠視点回」の効果


いつまでも前作を根に持つのはやめて、今回はこれぞ菊池風磨!で良かったです。

もちろんド菊池風磨でやってるわけじゃなくて「世の中が想定している菊池風磨というキャラ」でやってるのでしょう。

それにしても「現実にはたぶんいないけど実際にいそうな男子」を演じさせたらピカイチの風磨くんにピッタリの役。

いや、もしかしたら「現実にはたぶんいないけど実際にいそうな男子」を演じられるくらい、風磨くんの役者としての腕が上がっているのかもしれません。

いつまでも反抗期の風磨くんのままのイメージで見てるといかんな。

「周りが期待しているような良い子になんてなってたまるか」っていつまでも思ってるわけじゃなかろうし、充分大人になって「世間が見たい菊池風磨」を演るようになってるのかも。

それもこれも前回の「匠視点回」を入れたおかげに他なりません。

SexyZoneはお顔が整いすぎ集団だしジャにので一緒にいてる山田くんがあまりにも美麗アイドルなため、風磨くんは並男子扱いされがちです。

でも、よーくご覧なさい。

菊池風磨、想像よりはるかに美男子ですって(誰の想像目線)。

その美男がクールで甘々演技を見せるのはもちろん、心の内では大騒ぎしているのを隠さず表す(ただし八重ちゃんには見せず)のはたまんないです。

第3話では匠視点の描写は少なかったのですが、第2話がまるまる匠視点だったおかげで視聴者は「ああ、このクール匠も心中はワックワクなんだろうなぁフフフ」と想像できてしまいます。

この心中ワクワクなクール匠がイメージできるかどうかがこのドラマの鍵なので、1話分まるまる「匠視点」に使った構成の勝利ですね。

八重ちゃんの素直さが宝

では、そろそろこのあたりからネタバレ含みますのでご注意ください。

もう長濱ねるちゃんの八重が可愛い。ひたすら可愛い。

これが男性陣が言うところの「天然で隙もあるのに実はお母さんみたいにしっかりしてて支えてくれる」系女子というだけでなく、女性から見てもただただ可愛いです。

どのあたりが女子ウケかというと「実はお母さんみたいにしっかりしてて周りを支えているのに天然で隙がある」ところ。

そう、男性ウケポイントと女性ウケポイント、実は同じです。

同じなのに何が違うのかというと、八重ちゃんのベースを「天然で隙あり」と「しっかりしてて支えてくれる」とどっちに置くか。

たぶん男性諸君はだな、ほんわか系の守ってあげなきゃいけないダメドジ女の子が「オレのことだけはボクの大好きなお母さんのように理解して守ってくれる」ことにキュンを覚えるのではないかと。

実際、八重ちゃんは幼なじみがゆえに匠のことがよーく分かってて「ウソついてるよね」みたいなこともちゃんと見抜いてくれるのです。

強がってウソついてみせたら愛しの幼なじみに「ウソついてるよね、でも本心は分かってるから本音に合わせてあげる」って言われたらそりゃキュンだろうよ匠。

だが、茨の道を歩き続けてきた視聴者の女性たちには分かっているのです。

八重ちゃんが匠っちのウソつきお嫁さんごっこに付き合ってあげながらも本音に寄り添えるのは、八重ちゃんが強くたくましく生きざるを得なかったからだ、と。

良い人でいるばっかりに派遣を切られて損ばかりしててそれでも立ち上がらないと踏まれるから強く生きてきた八重ちゃんがやむを得ず天然に隙を見せてしまう。

つまり八重ちゃんの半分は優しさで出来てるけどあとの半分は人間が生きるための薬用成分なのだ、という「女はバファリン」であることに女性視聴者は賛同したいのです。

男たちのファンタジーみたいに「女の子って綿菓子に時々ザラメが残っててカリッ、あっオレだけ当たり」じゃないんだよ元々バファリンなの!

今どきホテルのバースディパーティなんてあるんだろうかはともかく

ところで『ウソ婚』の上手いところの1つに「昭和の価値観を上手に現代だと思わせる」とこがあるんですよね。

『ウソ婚』の昭和は匠の取引先の二木谷社長、「男は世帯を持っていないと一人前とは認めない」と主張するおっさん。

これ、この令和の世の中で実際に言い放っちゃったらパワハラだのなんだの言われる点。けっこうきわどい設定です。

ですが、パワハラに触れるのを恐れるあまり、匠の「偽装結婚」の理由をもし「オンナ除け」とか「病気のおばあちゃんに嫁を見せたい」にしてしまってたら、匠が必死で仕事してきた理由が生きないんですよね。

匠が一生懸命仕事して事務所を立ち上げて成功に突っ走ってきたのは、愛しの八重ちゃんにお姫様リッチな生活をさせてあげられる身になるため。

だからこそ匠は「仕事で成功するためなら偽装結婚も辞さない」じゃないと説得力がないんです。

これがオンナ邪魔だからの女除けとかおばあちゃんっ子だったら理由がふわっとしすぎ。

で、きわどい「男は世帯もたないと半人前」社長が出てくるわけですが、パワハラとか言われながらも令和の世でも実はいるいるこういう親父、というのが設定として上手いです。

いるよな、絶対、建築業の一代目社長あたりに。

しかも二代目社長に自分の娘を就けようという同族経営なところに、ますます昭和のかほりを感じます。

だいたいコロナで会社の飲み会もない世の中になったのに今どきホテルで社長の誕生日パーティするか?と思うのですが、この社長の会社ならやりかねん、と思わせられるのがつくづく上手いです。

匠の友人たちのウザ絡みが怖いけど見たい

匠の仕事仲間にして飲み友達という、しょっぴーとトリンドルちゃん。

たぶん大学の同期なんでしょうけど、風磨くん・しょっぴー・トリンドルちゃんって、めっちゃ大学スクールカースト高かった感じがします。

平民がお声かけられない三人組だったことでしょうよ。

で、原作読んでない私が悪いんですが、しょっぴーことガーデンデザイナーの将暉がもしや八重ちゃんのことを好きになってしまって、トリンドルちゃん、いや社長令嬢レミが前から匠が好きでした、みたいな泥沼が待ってたらどうしよう。

そういうレディコミの定番をやってしまったら安っぽくなるなぁと危惧しているのですが、どうなんですかね?

将暉&レミのハイカーストなお二人には、平民出の八重ちゃんが爆モテ同級生匠にふさわしいのかどうかと姑のごとくネチネチと絡んでいただきたいところです。

安易な四角関係ラブバトルにならなきゃいいんだけどなぁと思いつつ、次回を楽しみにしております。


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