梅見日和
偶然見つけた紅白の
梅が見ごろの公園で
日向ぼっこしながら
ゆれにゆれている最近の自分を
そのときだけ忘れられるような
一年前の今ごろのわたしと
今ここにいるわたしとでは
いろんなことが違うけれど
一足以上先の桜を見晴るかし
目の前の梅に気づかなかった
心うたれるほどにはかなくて
つつましやかに咲く小粒の花
たぶんこの世界は生き急いでる
常に何かを待ちわびていないと
乗り越えられない日常が絶えず
雨のように降り注いでくるから
だけど今日は 今は 目の前に
ひそやかに咲いている梅の花を
だれかと分かち合うのもいいけれど
ひとり静かに一瞬を噛み締めながら
誰かに言いたいようで言いたくない
わたしだけの一瞬を切り取るように
梅にメジロがとまり蜜を吸う
瞬間を写真に収められたから
あなたになら見せてもいいわ
あなたになら見せてもいいわ