その日も知れない

あなたが楽しく過ごしていると思って
前後のほんの数日連絡を取らずにいた
お楽しみの前が一番楽しいって言うし
お楽しみの後は余韻にひたれるように
でもその間あなたはお楽しみと同時に
アクシデントにも遭遇していたらしく
そろそろいい頃合いかと連絡した日に
初めて経緯の一部を聞くことになった

考えてみればあなたとわたしは遠くて
つながりは他の人には見えていなくて
だからあなたがどんなに大変なときも
困ったことや悲しいことがあるときも
わたしには全く知る由もないんだよね

例えばあなたが死んだとしても
例えばわたしが死んだとしても
あなたとわたしはお互いそれを
それすらをも知る術を持たない

ずいぶん昔の話だけど無邪気に連絡した夜中
珍しく返事が来なくて寝てるよなと思ったら
早朝の返信であなたは今朝母が逝きましたと
でも大丈夫だからと何でもない話を少しした

順当にいけば先に逝くのはあなた
その日がいつかも知れないけれど
その日もわたしは知れないんだな

そこまで考えていないだろうあなたと
人生のうちのほんのつかの間わたしは
見えないくらいでもつながりを手繰る
いつかも知れないその日が来るまでは