妹と乾杯
シャンメリー。
クリスマスが近づくとどのお店でも目にする機会が増える。
ワインボトルのような瓶に入った、シュワシュワした特別な飲み物。
年末にしか飲めない、あの味。
私の実家ではクリスマスとお正月に一本ずつ、妹と二人で分け合って飲んでいた。
しかしこのシャンメリー、容量が結構少なくて2人で分けるとグラス一杯になるかならないかくらいである。
いつも「もう無くなった!もう少し飲みたい〜」となっていた。
だから、いつしか私の中では「いつか大人になって一人暮らしをしたら、シャンメリー一本一を1人で飲み切る!」という目標ができていた。
しかし、大学一年生から大学三年生の間、一度もそれをしなかった。
それは、だいたいクリスマス前までテストやレポートに追われてそれどころではなかったからだ。
加えてクリスマスを実家で過ごしたり友達と過ごしたりしてその目標を思い出すのは宴が終わった後だった。
それがなぜか、今年。
テストもレポートもないからか、心に余裕というか隙間があるからか、シャンメリーが目に入った。
いつものマックスバリュの火曜市の時に。
だから今年はもう三本も飲んだ。
一気にではないけど。
今日頑張ったな、ちょっと疲れたなって日に一本ずつ。
最初の一本はもう感動。
シャンメリーってこんなに多かったんだっけ。
1人最高!ってなった。
二本目は、なんだかその日疲れすぎてて、甘い美味しいシュワシュワ、とそのまんまの感想しかなかった。
今考えるとちともったいない。
三本目は、美味しかったはずなのにちょっとだけ寂しくなった。
夢が叶ったはずなのに。目標を達成したはずなのに。
おかしいな。なんでだろ。
そうか。
誰かと一緒に分け合って飲むことでより美味しくなるんだな。
陳腐な言葉なんだけど。
そう、気が付いた。
飲む分は少なくなるけど、また飲みたいって思えるから。
今年のクリスマスは実家に帰省はしないけど、年末帰省した時にシャンメリーを買おう。
そして妹と二人で分け合って飲もう。
足りないなんて思わないように五本くらい買おうかな。
お読みいただき、ありがとうございます。 これからも私の感じたことをより表現していこうと思います。