古事記コラム①かぐや姫の物語
※古事記を考察しながら思いついたことなどをいろいろと書いていきます。調査不十分、想像多め。
古事記考察で、天の岩戸について考察した際に、天の岩戸に隠れたアマテラスは、間違った相手の子を妊娠してしまい亡くなった息長帯日売命で、岩戸から出てきたアマテラスは、彼女の代わりにツクヨミ国へ行った女性と解釈した。
かぐや姫の話も、この出来事がもとになっているのではないだろうか。想像で書いていく。
曽祖父の山代大筒木真若王に大事に育てられた息長帯日売命は、すくすくと育っていった。
婚約者のヤマトタケルに会い、嬉しそうに妊娠報告をした息長帯日売命だったが、お腹の子が別の相手の子だったことを知る。
月が満ちるにつれ、気落ちしていくかぐや姫。
月が満ちる、というのは臨月に向かっていくということだ。大きくなるお腹とともに、息長帯日売命は罪の重さに苦しめられる。
ヤマトタケルは息長帯日売命を責めなかっただろう。だが、その優しさがつらく、彼の子を妊娠したかったという後悔がより強く胸をしめつけていく。
息長帯日売命はついに耐え切れなくなってしまう。彼女を助けることは誰にもできなかった。
亡くなった息長帯日売命の代わりに、別の女性がツクヨミ国に行くことになる。
かぐや姫は、生まれた国のことを忘れたように、月に行ってしまうのだった。
かぐや姫の過ちとは、間違えてヤマトタケルではない男性との子を妊娠してしまったこと。
そして、天の岩戸のアマテラスと同様に、かぐや姫も物語の最後で別の女性に入れ替わる。
臨月に近づき大きくなっていくお腹。そしてツクヨミ国。
二つの月を重ね合わせて、隠さなければいけない悲しい出来事を、はかなくも美しい物語にした。それがかぐや姫の物語なのではないだろうか。