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コロナ禍の今、『社会教育』にできることは。

 以前、「社会教育って、そもそも何!?」の記事を読んでいただき多くの反響をいただきました。ひの社会教育センターでは、職員・スタッフ、学生リーダーと、前回同様、東京都立大学の荒井文昭教授を交え、座談会を開催しました。前回の記事に感想を寄せていただいたことをきっかけに、日野市の教育行政に長く携わる米田裕治さんもお誘いし、「社会教育に関わる仲間」が集まりました。

ーこちらも参考に(前回記事)ー

 まずは全員自己紹介。お互いの立場は、いろいろあるけれど「~さんで呼び合う」こと。話は「最後まで聞こう」。そして、マスクで顔の半分が隠れているので、「目もとはにっこり」と約束。
 この場にどうして参加しているのか、そもそも「ひの社会教育センター」との付き合いの始まりなどを各々話すところから始まりました。

 3月から日本中、世界中で全てが止まってしまったような状況の中、センターも例外ではなく、講座の休講、ひの自然学校やイベントの中止、休館の日々が続きました。しかし、「こんな時こそ、社会教育施設として『学び』や『つながり』を止めてはいけない」という思いのもと、オンラインでの集いや講座を開設しました。
 突如として訪れた「withコロナ」時代。人と人とが出会うからこそ生まれる「社会教育」の現場で、直接の出会いが減少していく状況下、どんなことが私たちに求められ、実行していけるのか、思いのままに話し合いました。
 
 各々の参加メンバーから「社会教育」を感じた体験談を聞いた後、3グループに分かれ「現在のコロナ禍、何を感じているか。そして日野の街でどうしていったらよいか。新たな価値の創造を目指す」というテーマで意見交換をしました。 

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そこで出た意見を一部紹介します。

●センターでは、事業の対象年齢が0才から高齢者までにわたり、内容も歌や楽器、語学、体操、キャンプなど、「密」や「飛沫」を避けられないものが多い。新型コロナウィルスへの「こわい」気持ちと、事業を「出来る」という思い。狭間に立つと開催の判断が難しい。また、人によって許容できる範囲が違う、ということも課題になっている。 

●オンラインでのやりとりがどんどん活発に便利になる一方で、オンライン世界で育つ子どもたちの未来はどうなる…?という懸念。直接会うことの価値を知っている私たちにできることは何か。

●高齢者が出かけられない、集まれない、コミュニケーションがとれないことへの不安を耳にする。

●コロナをよく知って、正しく恐れる。不確かな情報にあおられてしまうと恐怖が増大する。情報を正しく受け取ることの必要性を。

【米田裕治さんより】
今日集まっているみんなのセンターのイメージは、
『人と人とが支え合って、つながりあっていて、人間くさい。
 ひとりひとりが大切にされている、他のところじゃ居られないひとが居られ、役割と居場所感がある。そういうことを作ってきたところがセンターっぽい』。
 自分を最後まで自分らしく創造すること、どんな人間になろう?ということは、他人がいるからわかることである。不自由な中でこそ、自分の本当の願いやその本質に気付く。ここは、専門家集団だけど、専門家っぽくなく、ここに集まる人間集団が、『その一人』を応援する環境をつくっていると感じる。
 コロナがもたらした不自由さによって、「こわい」と「こう在りたい」というところの葛藤がうまれる。
 人それぞれ、それがわかるようになるには、時間がかかるが、自分との対話・人と人との対話・時代との対話の中で新しい目標・新しい幸せ感をみつけていくことが大事である。

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〈まとめ〉
 センターでは、感染症対策をしながら、現在多くのプログラムを再開しています。ですが、最終的にプログラムへの参加を決めることは、自分自身の判断が必要です。その結果、「参加しよう!」と決断した人のためにも、センターは門を開いて皆さんの利用をお待ちしようということがひとまずの目標となりました。

ー座談会のまとめー

【荒井文昭先生より】
 学習という言葉のイメージは人それぞれ違うが、自分らしさを創造するものであり、対話関係抜きでは自分らしさは生まれないものである。
教育は基本的に持続性があるが、持続の仕方が問題で、学校教育では時代時代で、そのときに「大事」とされることが学ばされる。
 しかし、今を生きている人にとって、おもしろいということを、教育を通じて実現することこそが大事で、この時代で何が大事かわからないというところから出発することが必要。
 教育の自立性が次の価値を生み出し、次の時代を生んでいる。そして社会を創造する。センターの強みである自由・自立性を守りながら、国や社会に支えてもらう仕組みが必要。その上で自由にやることが教育の本質であると考える。
 コロナ禍の今も、その先のどんな時代も、ひの社会教育センターのような社会教育施設がすべての人の学習の権利を生涯にわたり保証する場であり続けることが大事である。

 コロナ禍だからこそ、新しい目標、新しい幸せ感を見つけるために、今、あなたの学びたいこと、やってみたいことをお知らせください。

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