『鎌倉殿の13人』を振り返ってみよう!【源氏編】
NHK大河ドラマでは、源平合戦を経て、源頼朝が亡くなり、ついにタイトルの物語が始まりますね。
能は『平家物語』を題材にしている演目が多いため、過去にもいくつかご紹介いたしました。
今回は、それらも含め、改めてご紹介していきます。
ここで少し『鎌倉殿の13人』を振り返ってみましょう!
七騎落(しちきおち)
石橋山の合戦に敗れた頼朝一行は船で安房(あわ)・上総(かずさ)を目指して逃亡を計りますが、その人数は八人(源頼朝、土肥実平、土肥遠平、岡崎義実など)。
頼朝の祖父・為義、父・義朝が過去に敗走した際、いずれも八騎だったため、源氏にとって「八」は不吉な数。土肥実平(どいさねひら)は我が子・遠平(とおひら)を残し七騎で船出することにします。
一人陸に残った遠平を皆悲しみますが、遠平は頼朝の軍に加わろうとしてやってきた和田義盛に助けられます。遠平と再会した一行は喜び、実平は舞を舞います。
こちらは大河ドラマでは具体的には表現されていませんでしたが、石橋山の戦いから船で逃げる様子、登場人物の心理を会話中心に描く能です。
こちらの演目では登場人物が全員生きている男性であるため、能面はかけず、直面(ひためん・素顔のこと)で演じます。
【あらすじ・見どころはこちら】
鞍馬天狗(くらまてんぐ)
子供時代の義経、牛若丸が鞍馬寺で天狗と出会う物語。
ドラマの中で、義経が「本当に天狗に戦い方を教わったのですか?」などと聞かれる場面がありましたね。
能では牛若丸以外にも花見に来た子どもの役として、子方がたくさん登場します。
後半には大天狗が兵法を授け、平家を討とうとする義経を励まします。
【あらすじ・見どころはこちら】
先日、京都の鞍馬寺を訪れました。
牛若丸が兵法を習ったと言われる僧正が谷や、牛若丸が通った奥の院参道、木の根道など、義経に関わる場所がたくさんあり、能の史跡としても楽しめます。
鞍馬駅から本殿金堂、奥の院参道を抜けて貴船神社前へ降りてきましたが、ちょっとした登山でした!
お出かけの際は歩きやすい靴がオススメです!
木曽義仲
過去記事でもご紹介した木曽義仲の物語です。こちらもご覧くださいね!「能でみる、木曾義仲の最期とその忠臣たち:「巴」「兼平」「木曽」」
屋島(やしま)
旅の僧が屋島の浦で出会った漁師の塩屋で一夜を過ごしていると、義経の亡霊が現れるという世阿弥作の長編です。義経は激しい合戦の様を語り、修羅道に落ちた苦しみを伝え、夜が明けるころには消えていきます。
ドラマでは省かれたストーリーですが、『平家物語』では那須与一が扇に矢を射るシーンがとても有名ですね。
武士が登場する能には「勝修羅(かちしゅら)」と「負修羅(まけしゅら)」があります。
文字通り、戦に勝った物語と負けた物語です。
能は『平家物語』を題材にした「負修羅」が圧倒的に多く、勝修羅はたったの3曲しかありません。
その勝修羅の一つが「屋島」です。(ほかは「田村」「箙(えびら)」)
義経が亡くなったとき、奥州から鎌倉に送られてきた首が白旗川を上り、神奈川県藤沢市にある「白旗神社(しらはたじんじゃ)」の近くにたどり着いたとの伝説があります。
その白旗神社にも行ってみました。
白旗神社には義経が祀られ、5月頃には「義経藤」「弁慶藤」と名づけられた藤の花が見ごろになります。
今までの「鎌倉殿の13人」を振り返りましたが、いかがでしたか?
この時代の武士の生き様を知ると、能もドラマもより面白く感じるかもしれませんね。
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