百物語92話目「ブランコの記憶」(実話怪談)
先日、私の電子書籍「帰りゃんせ」のチラシを置かせてもらおうと、行きつけの店へと出かけました。
ええ、例のあやうく店長とふたりのクリスマスチーズフォンデュ会になりそうだった店です。
店長が優しいので、やってきたお客さんにもチラシを渡してくれ、
「この人、怖い話探してるんだけど、何かない?」
と聞いてくれました。
ありがと――!
すると、たまたまやってきたお客さんが隧道巡り好きというマニアな方で、
(しかもヘルメットにライトを装着して自転車でくぐるという徹底ぶり)
体験談を語ってくれました。
ちなみに隧道ネタは福岡の地方人気番組ドォーモの中のシリーズでありまして、私も話が合わせられましたわよ。
これの♯4をご覧ください。
【前略、道路の上より~隧道SP第1話】大分のキング・オブ・隧道(トンネル)と海の上の国道に燃える!
と、ありますね。
これは我が故郷日田と耶馬渓を抜けるところにある隧道なんです。
どうも大分県というのは隧道マニア垂涎の地らしいですよ。さすが青の洞門があるところ!
特に上記の大石峠隧道は全国的に隧道マニアの間では有名だそうです。知らんかった。
でも、この隧道……よく心霊スポットになります。
それはまだ彼が高校生の頃です。
すでに隧道マニアでした。
場所は確か岐阜県だった気がするけれど、友達と隧道巡りのチャリ旅をしていたそうです。
で、とある隧道の前で野宿することになりました。
ところが、夜中、ブランコをこぐ音が不気味にずっと鳴り響きます。
ギーコ、ギーコ、ギーコ。
こんな夜中にブランコはないだろうと思いつつ、傍にあるのかと、ヘルメットのライトであたりを照らして探し始めます。
けれど、ブランコはありません。
代わりに、ヘルメットの丸いライトの光に浮かび上がったのは、こんもりと積まれた花束の山でした。
翌日、明るくなってからも探しましたが、やっぱりブランコはありません。
それから30年が経ちます。
テレビの心霊スポット特集を見ていると、あのときの隧道が映っていました。そして、番組の中では、ラップ音が撮れたと騒いでいます。
そのラップ音が、
ギーコ、ギーコ、ギーコ。
あのときのブランコをこぐ音そのままだったそうです。
30年ぶりに聞くその音に総毛だったと言ってました。
このお話を気に入ってもらえましたら、ぜひ、NovelJam作品「帰りゃんせ」を投げ銭代わりに買ってくれると喜ぶよ。私の書いた怪談物語です!!
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