百物語22話目「古墳のバス停」(実話怪談)
今年の話につながる祟りの前編。
かれこれ20年近く前に、そのバス停の話を聞いた。
バス停の真ん前のアパートが火事になったのだ。
その話をパート先の先輩が
「あそこはね~。古墳の前だからね~」
言われてみれば、そこのバス停の周辺はこんもりとした森になっている。
「バス停のとこですよね」
「そうそう。あのバス停だってさ。設置した後、九十度に一度折れてるんだから」
しかも見える人が見ると、かなり力の強い霊がいるらしい。だからバス停を建てたことに怒ってると言ってた。
それ以来、そのバス停の前で待つのは止める。
それから二十数年が過ぎた今年、私はありえない光景を目にする。
久々にバスに乗って移動していると、いつもと光景が違うのだ。
「え! 丸坊主になってる!!」
あんなにこんもりとした山が、茶色の土をむきだしにして開発されていた。
「だって、あそこは古墳で、バス停だけで怒ってたとこだよ」
絶対、祟られる!
そして、祟りはすぐにやってきた。
そう思った翌日、私は部屋でサイレンの音を聞く。すぐに「火事どこ」で検索をかけた、すると――。後編へ続く!
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