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百物語3話目「病室を巡る霊」(実話)

アキレス腱が切れるときには、ブチーンっと音が鳴ったという。

バトミントンをしてた母親が怪我をして入院した。市内の病院なので、同じ市内の高校生だった私はバスで郡部へ帰る前に立ち寄るのが日課となる。

「この病院、幽霊が出るのよ」

母親が怯えながら伝えてきたときに、オカルト好きの私の目が輝いたのは言うまでもない。

「その話、くわしく!」

その病院は三階建て。母は一番上の少し狭い病棟に入院していた。

「一階の入院患者のそれぞれのベッドにね、ひと晩ずつ現れるんだって。入院着の女の幽霊。しかも入口から順番に全部まわったら、それが今度は二階の入院患者のベッドに現れるようになったって」

律儀だ。

「それで、とうとう昨日の夜に、二階の部屋を周り終わったって……」

「来るね」

「ここに来るよね」

すると、母はとんでもないことを言う。

「だから、今夜は泊っていって」

ふっふっふっふ。

私はオカルトが大好きだ!

しかし、廃墟探検隊や心霊スポット巡りなどはしない!

なぜなら、オカルトを好きなのは、怖い目に合わない方法を知りたいからという怖がりから来ているからだ。

「泊ってもいいらしいから」

「ううん、帰る」

ごめん、母よ。

そんな怖いことはしない。つーか、できない。怖がりなんだって!

「怖いから、帰る。でも、明日どうだったか聞かせて」

鬼畜。

そして、翌日私はわくわくしながら、母の病室に向かった。

すると――。

続きはまた、後の NovelJam「帰りゃんせ」販促企画!百物語4本目をご覧ください。別の怪異が関わってくるので、本数を分けさせて!(じゃないと百本いかない!)

ちなみに、百物語の病院話は文庫『「超」怖い話「彼岸都市」』に採話されている話の、私の体験した実話バージョンです。

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