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人生で一番後悔していることの話
今日は今までのふざけたお話とはちょっとトーンの違うお話です。
私は、過去をあまり振り返らない、猪突猛進、暴走族型の人間なので、「後悔」ということをあまりしません。
もちろん、穴に入りたくなるくらいの失敗とか、どうしようもなく落ち込むこととか、人間だからいっぱいありますよ。
でもね、悔やんでも仕方ない。
反省はするんだけど。今度からは気をつけようとか。
悔やまない、というより、嫌なことは、すぐに忘れてしまおうという本能が働いているのかも・・・
でも、私の人生で、一個だけ、どうしても忘れられない、一生後悔し続けるであろう出来事がありました。
私は妹が二人いますが、実は弟もいて4人きょうだいでした。
その弟が、20数年前に早逝しました。
うつ病で、自ら命を絶ちました。
当時はまだ今のようにメンタルヘルスについて情報もなくて、我々家族も、奥さんも、弟をどうしてあげるのがいいのか、わからずに周りでアタフタしてたかもなぁ。
性格の優しい男だったから、そんなふうに、自分が家族をアタフタさせてしまったことも負担になっていたかもしれません。
公立高校から東大に現役合格し、一流企業に入社して、アメリカにも留学させてもらって。
性格も良くて、ほんとに非の打ちどころの無い男でした。
そんな弟が、なぜか突然、会社に行けなくなり。
周りがアタフタしているうちに、自殺未遂を起こしたので、奥さんではサポートしきれず、入院させていました。
会社でなにがあったのか、詳しいことはよくわからないけれど、怖いほどに空気を読んで、周りに気を遣う男だったので、色々な人の間で、板挟みになったりする苦労もあったようです。
当時は、ワークライフバランスなんて言葉もないから、とにかく夜中まで過重労働もあったと思う。
とにかく、入院したと聞いて、当時3歳くらいの息子を連れて、弟の病院に面会に行きました。
当時、私がいうのもなんだけど、3歳の息子が本当に可愛くて、男の割におしゃべりな子どもで、人見知りしない人なつこい子だったので、弟にもよく懐いており。
弟がとても可愛がってくれました。
息子が来たのがとても嬉しかったのか、散歩する、と病院中連れて回って、
「あら可愛いですね」と病院の職員さんに褒められては、
「甥っ子なんです〜」などと、はにかんだ笑顔を見せてました。
とても嬉しそうだった。
弟の笑顔を見るのは本当に久々だったので、息子を連れて行ってよかったなぁと思ったものです。
弟に持って行った上等なお菓子を、息子が全部食べちゃったけど、ニコニコと笑って見てたし。
そんな弟を見て、入院して、ゆっくり休んで、ちょっと良くなったのかな、なんて錯覚してしまうほどでした。
当時は、スマホもないし、インターネットも今ほど使ってなかったし、うつ病の知識もなかった。
うつ病は、調子の良い時もあれば悪い時もある。
その時はたまたま調子が良かっただけなのかも。
息子も楽しそうだったので、夕方暗くなるまで病室にいて、また来てあげようと思い、エレベーターまで送ってくれた弟に、帰り際に
「楽しかったね。また来週来られたら来るね」
と言い残して帰りました。
エレベーターの扉の向こうで、弟が、寂しそうに笑ってました。
それが弟との最後になってしまうとは、その時思いもしなかった。
来るね、といった、その次の週末、たまたま高知から義妹家族が来ることになって、息子と同じ歳の姪っ子が、ピューロランドに行きたいというので、結局そちらが優先されて、弟のところに行けませんでした。
今みたいにスマホだの、ラインだのあれば、
「今週は行けなくなったよ、また来週行くね」とでも、連絡が入れられたけど。
気になりながらも。
大丈夫だよな。ちょっと元気そうだったし。
また来週でも行こう、と軽く考えてた。
当時、小さい息子の育児しながらの共働きだったので、週末もあまり余裕がなかった。
結局次の週もなんだかんだで、行けなくはなかったんだけど、病院も遠いし、ま、いいか、とあと伸ばしにしてしまった。
最後に会った日の2週間後くらいでした。
弟が逝ったのは・・・。
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私が行かなかったせいではないかもしれないけれど。
エレベーターの向こうの弟の寂しそうな笑顔を思い出すと、今でも胸の奥がキュンとなって、涙が出そうになる。
さぞがっかりさせただろう。
さぞ寂しかっただろう。
さぞ息子に会いたかっただろう。
頭のいい、記憶力のいい弟だったから、来週行く、と私が言ったことは、絶対覚えていたはず。
でも、もちろん、そんなことは弟は思っていなかったかも。
私がいく、いかない、に関係なく選んでしまった結果かも。
そうなんですけどね。
これが、人生で一番後悔した出来事で。今でもずっと心に残ってます。
9月1日は、一年で一番自殺が多い日だそうです。
生きることに希望を失って、辛い思いをしている方が今もたくさんいると思います。
そんな人たちに自分がなにができるかわかりませんが。
こんな後悔を2度としないような生き方をしていければ良いなぁと思います。
当時はよくわかっていなかったけれど、うつ病はやっぱり病気なんですよね。脳の病気です。
心が弱いとか。
性格が優しいとか。
気を使いすぎるだとか。
もちろん、そういうのも全く無関係ではないかもだけど。
でも、基本は脳が機能不全を起こしているので、誰でもなる病気だし。
治せる病気です。
実はその時に病院に連れて行った息子も、数年前に同じ病気になりました。
でもね、治ったんです。
治るんですよ。
嘘のように元気になりました。
そんな姿を見るにつけ、やっぱり弟に何かできなかったかしら、
治せたのじゃないのかしら。
と思ったりもしますね。
取り止めもなく、自分の話を書いてしまいました。
誰の何の役に立つ文章かわからないけれど。
自分の周りで何かで辛い思いをしている人がいたら、後悔のないようにサポートしてあげてほしい、ってことかなぁ。
そういう人って気づかないように元気なふりをしたりもするから、なかなか難しいんだけどね、、
私は、弟のこともあり、息子のこともあったので、大事なことは、この病気を理解することだと思い、10月から、放送大学で心理学を勉強することにしました。
今更だけど。
理解して、正しく寄り添うことができたら。
誰かを救う、とかっていうとおごかましいけれど、少なくとも、自分が救われるかなぁとね。
なんだかちょっと重苦しい話になりました。
読んでいただきありがとうございました。