創作リレー第6回「Beyond the wall」の振り返り
メンバーシップ内「触れ合うプラン」「包み込むプラン」の限定企画、創作リレー。
第6回が終わったので、今回もテーマ画像の試行錯誤や感想をとまとめてみようと思います。
今回のテーマは「Beyond the wall」というタイトルでした。
夏ということで、ちょっとホラーな感じに挑戦しようかなと思ったのですが、紆余曲折の結果出来上がった画像がなんだか海外ドラマの一幕っぽくなったので、今回は英語のタイトルにしてみました。
お題のイメージ画像はいつものようにAdobe Expressを使い、こんなワードから画像生成を開始!
怖い話っぽいでしょ?稲川さんの気配がするような画像を期待しているのだが、AIさん、どうでしょうか。
スタイルからは「懐かしさ」と「ダークな」いうエフェクトと追加してみる。さてどんな画像ができるかな?
うん...。
想定よりも穴がデカすぎる...!!
パッと出てきた画像を見て思わす1人で爆笑。なんかこういう観光地、あったよね。
違う違う、そういうことじゃなくて。覗き込まずとも見事な桜ビューが広がる立派なお部屋が現れてしまった。そして和室って書くとこういう感じになっちゃうのかぁ。もっと生活感溢れる古いボロアパートを想像してたんだけど...。
穴は、いずこへ...?
穴を開けた形跡ということなのか何やら部屋の中に土?岩?が盛られているが、肝心の穴は完全に施工後のようで見当たらず、素敵な窓ができあがっている。
これは、軌道修正する文言をかなり工夫しなければならないようだ。
差し替えてみた文章はこちら
こんなんでどうでしょうか…お願いします!
だから...穴がデカいんだってばよ...。
うーん、どうしよう。「小さな穴」と書いたのに、これだけのビックホールを用意されてしまうと、もう怖い話じゃなくてこの絵ありきで話をストーリを作っていくか?と根底から悩み出す。
絵面としては面白い。怖い話かはわからないけど新たな冒険が始まりそうな気がしなくもない。
...いや、諦めちゃダメだ。もうちょっとだけ頑張ってみよう。穴と書かずに穴を覗いてそうなやつ、描いてみようじゃないか。
とりあえず、アパートがどうとか書くのをやめてみた。
質素なイメージからアパートと書いていたが、重要なのは部屋の中だということくらいだ。そしてデカ穴問題を回避するため、もう穴については触れずにどうにか覗き込んでいるような姿を描写できないか試みてみる。
「見えないものを見ようとしている」はもうBUMP OF CHICKENかよと自分でツッコミを入れてしまったが、どうにか伝われ...!と意味不明ながらもイメージ重視で記してみた。これでどうだ!
あぁっ惜しい...!ポーズはいい感じだけどこっち側を向いていることにより散らかった部屋で「あちゃー」と落胆している人みたいになってしまった。
おぉ...?いい感じになった...?部屋というよりは雑多な倉庫って感じだけど想像してたイメージに今のところ一番近い。もう一息な気がする。
「雑然」と書くと壁にも細かい装飾がついて、思った以上に散らかり過ぎてしまったので、雑然を消去。
最後に得意の単語ワード攻撃を加えてみる。これでどうでしょうか。
生成ボタンを押すとガイドラインに違反している単語があるとのアラートが。えっ!なんだろう?ホラーはさっきも書いてたし「怖い」かなぁ。
「怖い話」を削除するも結果は変わらず…じゃあやっぱりホラーかなと「ホラー」の文言を消してみる。
お、できた。AIさん、ホラーはダメらしい。ホントに…?
うおぉぉ来たー!これだー!
やっと大きな穴が塞がり、穴っぽい何かを覗き込んでいる風の画像生成に成功!そう、この体勢を目指してたのよ。
というわけで、無事理想近づいたところで、テーマ画像は一番それっぽかったこちらに決定。
この人かっこよくない...?なんか、ネットフリックスとかでやってる海外ドラマに出てきそうじゃない?君に決めた!
いやぁ今回も画像作り、楽しかったなぁ。巨大な穴が出現して向こう側までぶち抜かれた時は「あ、無理かも」と思ったが、無事理想の覗き画像(っていうとなんか語弊があるな)を作ることができました。
おまけとして、廃墟でかくれんぼしてるみたいなちょっと寂しげな画像も出てきたので貼っておきます。
そして一ヶ月でつながったショートストーリー。
初めてのホラー展開な物語は、どこまでリアルに書くかという匙加減が悩みどころというか、考えていて面白いなぁと感じました。
「怖さ」って、文章からダイレクトに伝わってくる怖さもあるけど、想像する怖さもありますよね。人によってゾゾゾーっとなるような色々な表現を探っていくのが楽しかったです。
メンバーシップ掲示板では、今月の新しいお題を昨日からUPしております!今回のテーマは「金魚のコイ」です。テーマ画像はこちら。
さっそくリレーも始まっています!
興味を持っていただいた方はメンバーシップに遊びにきて下さい^^
それでは、掲示板でつながった第6回のストーリーをこちらにまとめます。
「Beyond the wall」
「また珍しいくらい古臭いところで。最高なこった」
埃っぽい部屋の中を歩き、壁に触れた肩口を払いながら男が言う。
「気に入ってくれたようで何よりだ」
後ろから小太りの老人が杖の音を響かせながら歩いてきた。
「電気もガスも水道も通ってる。必要なものはこれで買うといい、私からの就職祝いだ。ただし、あまり目立つ動きはしないように。ここはほとんど使われていない事務所みたいな扱いになっているんでな」
老人が胸ポケットから紙幣を取り出した。
男はそれを躊躇うことなく受け取ると、ジーンズのポケットに押し込みながら言う。
「タダで住めるんだ。もちろん従うよ」
「では、仕事が入ったら連絡するよ。それまでゆっくり寛いでくれ。これからよろしく、ケイト」
老人はそう言って部屋から出て行った。
呼ばれ慣れていないその名に「ケイト、ね」と男が1人呟く。
住み込みで働いていた工場で2日ほど前に上司と殴り合いになり、男は家も仕事も失った。場末の酒場に入り、なけなしの金で飲んでいたところ声をかけてきたのが先ほどの老人だ。
「若いの、ずいぶん素敵な身なりだな」
「悪かったな。家も仕事もなくて、もう酒を飲む金くらいしか残ってないんだ」
「それはちょうどいい。いや、失礼ながらそんな気がしたんだ」
老人は不敵な笑みを浮かべながら隣に腰掛け「うちで仕事をしないか?」と持ちかけてきた。ついでに家も用意してくれるという。報酬も工場の3倍だった。
男は明らかに普通の仕事じゃないことを察したが、だからと言ってそれを断る理由はなかった。
「交渉成立だな。君、ところで名前は?」
「あぁ、...ケイトだ」
男が咄嗟に言った名は2日前に殴った上司の名前だった。
老人が部屋から出て行った後、壁にかかっていた鏡に向かって男は1人陽気な顔をして言う。
「やぁ、俺はケイト。今日からここに住むなんでも屋だ。何をするかって?それは俺にもまだわからない。人生で一番スリリングな転職だ。さて、まずはこの最高な住まいを探検してみようか。必要なものを買い出しに行かなきゃな」
男は、芝居がかった動きで家の中を歩き出した。
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