【冒険小説風】洞窟の奥はお子様ランチ #毎週ショートショートnote
出口だ!
洞窟に淡い光が差し込んだ。
高くそびえるオレンジの岩をひたすら掘り、突き進んでいく。あと少しでこの先の世界が見える...!
岩の間から光のもとに出ると、足元には茶色い溶岩が流れていて慌てて岩肌を登る。どうやらここは洞窟ではなく大きな山だったようだ。
上に何か見えた気がして、粘土質の岩に足を取られながら頂上を目指した。
そこには、見たこともない景色が広がっていた。
山頂にそびえる大きな旗。麓の溶岩の先には、まるで誰かが掌で転がしたかのような丸い岩石が見える。
その向こうには緑が生い茂る森。かつて海だったのだろうか、座礁した船のように細長い大きな物体が横たわっている。先端は赤く、ボディは色からすると木材にも見えるが表面がザクザクと荒々しい。
初めて見る景色に呆然としていると、ふいに上空が暗くなった。
次の瞬間、天から迫る銀色の円盤。岩山ごとこそげ取られた体が宙に浮く。
その直後、目の前で漆黒の洞窟が口を開けた。
「いただきまーす!」
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