ギルティ女史と上野さん
今日も慌ただしいオフィス。
ギルティ女史はいつものように猛スピードで仕事をこなしている。
「え、今週末仕事?旅行どうすんだよ、もうホテル取ってるのに」
「だからなんとか今からキャンセルできないかなって...」
私は今、なんとも言えない現場に遭遇してしまっている。
いつも通り給湯室で花の手入れや加湿器の掃除などをしていたのだが、その奥にある喫煙室の方から男女の声がする。
男の人は同じフロアにいる違う部署の人だ。顔は見たことがあるが、名前はえーと…という感じの人。そしてもう一人の女性、彼女はデザイナーの上野さん。
上野さんは私の部署の中堅という感じのポジションの人で、いつもすばやく業務をこなすクールでとっても仕事のできる人だ。
あまり余計な世間話などもしないため、私は上野さんとそこまで話をしたことがなかった。
でも煙草を吸わない彼女の声がなぜここでするんだろう...なんて思いながらちらっと覗いたところ、2人のそんな会話が聞こえてきて、なんとも出て行きづらくなってしまった結果ちょっと潜むような形で私は給湯室から動けないでいた。
上野さん、あの人と付き合ってたのか...。会話の感じからなんとなく察知する。でも上野さんは、おそらくこのことを公にはしていない模様。
ってことは私、多分今出てくの絶対ダメなやつだよね...。
むむむ、どうしよう。
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