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【風呂酒日和163-2】新発田屋(しばたや)
【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。
足早に川場湯を出てきた私。
駅前のお店をいくつかマップでチェックして、狙いを定めた。
よし、ここだ。
もつやきと書いてあるけど、いろいろあるっぽい。ここでさくっと飲みましょう。カラカラと扉を開けると中はかなり盛況している。
「いらっしゃいませー」
「1人です」
「どうぞー」
店内に入るとテーブル席はラスト1席、カウンターはラスト2席。
混んでるし、カウンターだね。1人飲みのおじさんたちの間に着席する。
後ろは店員さんがよく通る場所だったのでバッグをカウンター下にしまおうとするも重い&パソコンのせいで入らない...
「ここどうぞ。私も隣に置いてるので」
右隣のおじさんがそう言ってくれたので残り2席だった右の椅子に置かせてもらう。お客さんが来たらよけよう。
「こちらでも注文できますのでー」
おしぼりと一緒に来たのはQRコード。
なるほど、携帯で注文するスタイルだ。
コミュ障だしスーパーだとセルフレジ大好きなくせに居酒屋ではすいませーんと頼みたくなる不思議。
声をかけて注文してもいいっぽいけど、お店も繁盛してるし店員さんも厨房に1人、ホールに1人かな?お忙しそうなので、QR使ってみよう。
とりあえず赤星の大瓶を注文。
メニューは席のところにラミネートされたものもある。やきとんと焼き鳥がメインで、おすすめはやはりもつ煮込み。
どうしようかなぁ...もつ煮込み、頼んでみる?もう一個のおすすめは和牛ハツ刺しだって。
他の一品系で気になるのはいかとんび、栃尾油あげ焼き、ぎんなん、子持ちししゃもなど。面白いのだとラビオリ、手羽餃子揚げ、チーズやっこなんてのもある。あっ!たたみいわし、好き〜。食べたいなぁ。
小さい頃よく食べてたけど、東京に来てやたら高い食べ物だと知った。
ほたての貝柱を干したやつと一緒で、乾燥したちまちま系のちょうどいいアテと思っていたが、そんな気持ちでつまむのは失礼なくらい大きさや量の割にいい値段するよね、これら。こういうところであぁ自分って北海道出身なんだなと感じる。
裏は野菜とごはんもの、サラダに漬物、トマト塩昆布...うまそう。
ニンニク醤油漬けも気になるけど、メニューの写真を見る限りこの量を1人で食べたらたぶん私は明日殺人兵器になってしまう。
ごはんものは焼きうどんにお茶漬け、雑炊、焼きビーフン。モツ煮とライスのことかな?煮込みライスというセットもある。あ、焼きおにぎり…素敵。しかも一個だ。これは食べたい。焼きおにぎり茶漬けも気になるけどここはやっぱりパリパリの焼きおにぎりだろう。
よし、大体決まったぞ。
今日はお肉も食べよう。ハラミの「焼肉風に味付け」と書いてあったスタミナという串と、たたみいわし。そして〆に焼きおにぎりでdoneとしましょう。まずはスタミナとたたみいわしをタップして頼む。
店内はテーブル席が5つにカウンター席が7席ほど。
私の後で2人連れが1組来店し、ほぼほぼ満員になった。厨房を守っている店長さんと思われるおじさんはカウンターが高くて顔はよく見えないが、忙しそうにテキパキと焼き物に取り掛かっている模様。
「はい、こちらからすみません。たたみいわしです」
大好物が一番手に到着。
あら...青のりミックスバージョンだ。初めて見た。美味しそう!
添えられていたマヨにふんだんに一味を振り、手でパキッと割ってマヨをつけてぱく。
あぁーうんまーい。懐かしい。
でも記憶の味とはちょっと違う青のりの香り。さすが海の仲間。合う合う。
「はい、また前からー。スタミナでーす」
わー来た来た。ほほぅ...これがスタミナ。確かに焼肉串って感じ。こちらも一味をふって、いただきまーす。
ふむ!うまい。なるほど、ハラミってこれか。
ちなみに北海道ではハラミのことは大体サガリと言うと思う。違う部位だよとかハラミが総称だよとか色々聞くが、私の中では総称がサガリだと思っていた。
小学生が知っている焼肉ワードと言えば「カルビとサガリ」ってイメージ。
その小さい頃食べてたやつのうちの、この味の方がサガリだったのかと今更ながらに答え合わせみたいな気持ちになる。
カルビとサガリの違い、実はずっとわかっていませんでした。
スタミナを食べ進めながら頃合いを見計らって焼きおにぎりを注文。
店員さんは忙しいせいもあるかもしれないが、必要以上に話したり馴れ合わないけどみんなキビキビと動いていてチームワークが良い。無骨な職場って感じだ。
カウンター席では入口の方に置かれていた本棚から青年漫画の雑誌を持って来て、1人で飲みながら読んでいるサラリーマンがいたりして往年の酒場感があってよい。もちろんお客さんは男性だけでなく、テーブル席には女の人もいてわいわいと飲んでいる。
うーん、お父さんも連れてくるならこういうところがよかったのかなぁなんて、少し前に東京で父と飲んだ時のことを思い出す。
「はい、焼きおにぎりです」
きたー!
厨房の店長さんはテキパキ動いているが料理を出す時だけちょっとおだやかになる。マスクをしていて表情はよくわからないけど、その声色と優しそうな目元からにっこりしながら渡してくれてるんだろうなぁと伝わってきてなんだか嬉しい。
そしてとってもいい焦げ目がついた焼きおにぎりが到着。カリカリの表面にわくわくしながら箸を入れる。さっそく一口。
ぬぁぁ焼きたてアツアツ!ほふほふ...
おかかと醤油とごまの風味がうーーーんま!好みの味に歓喜しながら添えられた漬物をぽり。あぁ、大正解。キューちゃんや。
ほんとにキューちゃんかはわからないけど味がそれに近い。この甘みが少なめのしょっぱいきゅうり漬け、好きなのよねぇ。たくあんがついてくるのもいいけど、この焼きおにぎりにはこの漬物がベストマッチな気がする。完璧すぎ。拍手。
右隣のおじさんは終始漫画雑誌を読みながらたまに顔をあげ、左上のテレビをちらり。左隣のおじさんはホールをまわすお兄さんと世間話をちらほらしていて、どちらもよく1人で来る常連さんといった感じ。
おつまみもかたや砂肝、かたやアジの開きでなんだか親近感。私もその2つ悩んでました。
それにしても焼きおにぎりがうんまー。
まるでアンマーの味。ニュースで沖縄のことが流れていてつられて沖縄弁。ウンマーアンマー。
そういえば、アンマーは知ってるけど、沖縄でお父さんってなんて言うんだろう。聞いたことないかも。おじいとおばあも知ってるけど、パパは…?
なんて、お店のガヤガヤ音を聞きつつテレビを見ながら、くだらないことを考えて静かに1人飲みに徹するカウンター席。あぁすばらしい時間。
焼きおにぎりを熱いうちにもりもり平らげ、残りのビールでたたみいわしをちまちま進めてお腹も落ち着きお会計。
最初に来たけど実は大事に取ってたたたみいわし。
やっぱりテーブルの中で一番好きだと思ったのは最後に残しがち。そしてちまちま食べるのが好きなんだよなぁ結局。
本日もいい一杯だった。
雨も降ってないし、傘も忘れずに持ったし、優秀〜!
降られる前に大人しく帰ろう。
【新発田屋】
住所:〒179-0085 東京都練馬区早宮1-1-16
電話: 03-3948-0008
アクセス: 東京メトロ有楽町線「氷川台」駅下車、徒歩3分
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