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今日もきっと、誰かの誕生日。

先日父の誕生日だった。
私は気が向いた時にしかプレゼントを送らないというダメな娘なのだが、一応いつなのかは覚えているし毎年誕生日にはおめでとうとメッセージを送るようにしている。

父は、数年前までよく私や兄に祖父母や叔父などの身内の誕生日をメールでリマインドしてくれていた。

「本日は婆夏のお誕生日です。暇があったら電話するか、忙しければおめでとうと思いながら北の方に向けて乾杯でもして下さい」

ちょっと変わっている父はその文章も独特である。
ちなみに「婆夏」とはなんのことだかわかるだろうか。
私は理解するまでに数十秒かかった。
もちろん祖母の名前ではないし、北海道特有の言い回しでもなんでもない。

おばあちゃん→おばあさま→ばあさま→婆夏バーサマーである。多分。
あいかわらずシュールなギャグというか笑いを潜ませてくる父。シュール過ぎて理解するのにちょっと時間がかかるし、あはは!というよりは「あ、あぁ...バーサマー...ですかね、これは」みたいななんとも言えない気持ちになる。

でも、小さい頃は覚えていたはずの祖父母の誕生日も「あれ、たしか9月だったは覚えてるけど…あぁ23日だったっけ」なんて年々薄れていったりもするので、そのリマインドメールはありがたいものでもあった。


ところで、あなたは友人や家族など「誕生日を覚えている人」ってどれくらいいるだろうか。

最近は生誕祭なんて言葉もよく聞く。キャラクターや芸能人など、推しの誕生日を覚えているという人もいるだろうと思う。
記憶力のいい人はかなりの人数を覚えているかもしれないし、マメな人はどこかにメモしていたりするかもしれない。
私はというと、まぁまぁ覚えている方だけどマメな動きはあまりできないというタイプだと思う。

私は幼稚園から中学校まで同じ町で育った女の子たち約10人くらいのSNSグループに入っているのだが、そこでは毎回誰かしらが気がついて誕生日を祝うメッセージが飛んでくる。そしてその後ひとしきりみんなからの「おめでとう!」が並ぶ。正直10人もいると大体月に一回か下手すると一月に2回くらいそんなようなやり取りが交わされるため、若干めんどくさいといえばめんどくさい。(そういうとこだぞ自分)

私はその中の特に親しかった数人くらいの誕生日は覚えていてもみんなの誕生日まで把握していない上、いつも第一声を送ってくれる誰かしらのメッセージに「おぉ、そうだったのか」と後から乗っかるタイプなので、みんなマメだなぁなんて感心したりする。

ちなみにイタリア人の友人は、少し前に彼の誕生日を知った私が誕生日当日に「おめでとう〜!」とメッセージを送った際、とても驚いていた。

「すごい!よく覚えていたね!」

「ちょうどちょっと前にそんな話したから覚えてた!」

「そんなの僕は全然覚えられないよ!両親の誕生日もあんまりわからないかも」

あ、そうなの?人の誕生日ってそんな感じ?
彼は日本にいる時も結構な頻度で両親と仲良くビデオコールなどをしていて、疎遠なわけでもなさそうだったので私はちょっと驚きつつもまぁそんなもんかぁ。これは国柄とかもあるのかなぁ。それか単純に性格か、もしくは男女の違いだったりもするのかなぁなんて思っていた。

そして私は最近たまに考えることがある。
それは「自分が思い出したのではなく偶然知った誕生日に、相手におめでとうを伝えるかどうか」である。

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