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助手席の異世界転生 #毎週ショートショートnote

「...貴方に話したいことがあるの」

「何?あらたまって」

「ねぇ、異世界転生って...信じる?」

「え?」

「私...実は昔、車の助手席だったの。ある事故から目覚めたら、手も足もあって人間になってた。あははすごい顔してる。そうだよね、突然そんなこと言われても意味不明だよね。
私も生まれた時はよくわかってなくて。でも初めて車に乗った時に全部思い出した。助手席だった頃は言葉も何も知らなかったけど、はっきり記憶が残ってて気づいたの。
だからこれは異世界転生かなって。だって車の中の世界からいきなり人間になったんだもの」

「し、信じられない...」

「ごめんね変なこと言って。でも信じてもらえなくてもいいの。私、人間になれて本当によかったと思ってる。だってそのおかげで貴方と出会えたんだもの」

「いや、僕たち...運命だよ。どうりで初めて会った時から隣にいると安心するなって思ったんだ」

「え...?」

「僕も車だったんだ!しかも運転席」


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