
リング
リングに上げられた息子に、記者が尋ねました。「カッコよく負けるオトウチャンと、カッコ悪く勝つオトウチャンなら、どっちがいい」?
「えーっ、どっちも嫌」と、少年は答えました。そりゃあ、そうだ。同じ質問をぶつけられたボクサーは、少し考えて、答えました。
「一生懸命やってれば、カッコ悪く勝っても、子どもはカッコいいって思ってくれるはず」。この人らしい言葉だ、と思いました。
強い相手との対戦を避ける選手が増えて、競技の将来が危ぶまれた時期もこのスポーツを支え、立て直してきた。そんな「激闘王」が、リングを下りました。
誇れるのは、世界王者になれたことではなく、負けても立ち上がってきたこと。(八重樫東)
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