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人間(1)

人間は、自分が直面している危険を「正常の範囲」と捉える性向を持っています。

正常性バイアス。

それは、心の安定を保つ工夫ともいえます。でも、それがアダとなって、絶体絶命の窮地に陥る場合もあります。

「後で振り返って、もっと抵抗すべきだったと悔やむポイントを、いくつか通過してしまった気がしている」。

そうメモした後、でも、そんな心配さえ、杞憂なのだ、と自分に言い聞かせて、バックスペースを打ちました。

もっと抵抗すべきだったのだ。だがどうやって? 連中の動きは実に迅速だったし、私には仕事もあれば日々の暮らしの 悩みもある。他の連中だって、少しばかりの静かな暮らしが欲しくて手を拱いていたんじゃないのか?( フランク・パブロフ『茶色の朝』)


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皮膜
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