ソラマチとLIVEラーメン竹末東京Premium
うちのマンションが、何かのメンテで断水だった。
テレワーク中の夫もその日は出勤してもらい、私は断水にかこつけて、近いのにずっと自粛して行けてなかった、スカイツリーのある押上に行くことにした。
スカイツリーは今、『エヴァンゲリオン』とコラボをしていた。
おそらく、エヴァンゲリオンの映画公開に合わせたものだろうが、エヴァンゲリオンの映画は、現在、緊急事態宣言の影響で再びの公開延期中である。
どうやらスカイツリーとのコラボは延期できなかったようだ。
しかし、スカイツリーを見上げると、そんな哀愁と荘厳さがすごくマッチしているように感じた。
ソラマチはやはり人は少ないものの、商業施設がちゃんと機能していることになんだかほっとした。ぷらぷらできることが嬉しかった。
お昼は心に決めていた。
そこから歩いて7分くらいの、行列のできるラーメン『竹末東京Premium』である。
11:30からオープンとのことで、間に合うよう急ぎ足で向かった。
お店に到着したのが11:28で、前から「イチ、ニ、サン、シ…」と数えると、どうやら私は7番目のようである。お店のカウンター席が8席のようなので、ラッキー!一巡目に入れそうだ。
11:30になり、お店のドアがオープン。
私は「味玉鶏ホタテそば」の食券を購入した。
店内はロックな雰囲気で、YAZAWAが流れている。
そして、ラーメンを目の前のLIVEで作ってくれるのがここの特徴である。
まるで実演販売のようで、店員さんが今日のチャーシューなど説明してくれる。洗練された手さばきに見惚れているうちに、ラーメンが完成。
芸術を感じる美しさで、キラキラ輝いている。
見惚れている場合ではない。さっとマスクを外し、スープを一口。
「お、おいしい〜!」
途中、上に載っているホタテのペーストを少しづつ溶かすと、またおいしい〜!
最後くらいになったとき、前の店員さんが急に話しかけてくれた。
「寒い中、ありがとうございます!ここ換気がよすぎて。」
突然話しかけられたことに、えっ喋っていいの?!と私はビックリして、
「あっ全然全然!とんでもないっでっすっ」
と挙動不審な返しをしてしまった。
それまで私は心の中で、こんなコロナ禍の中、ラーメンを食べに来ていることを何か悪いことをしているような気持ちだった。
外には行列ができているようである。黙って食べてさっさと出なければ、と変にプレッシャーと緊張を感じていた。
ニュースでは連日「黙食」と書かれたレストランが放映されていた。
最後まで食べ終え、「ごちそうさまー」と外に出た私は、なんだか心があたたかかった。
それはラーメンを食べたからだけではないだろう。
やっぱり目の前で料理をつくってくれて、食べるとおいしいし、喋るとうれしい、としみじみ感じた。
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