記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

映画版 約束のネバーランド見てきた

予備知識なし!見てみたよ約ネバ!

思いつきで、約束のネバーランドを見てきました。鬼滅の刃にしようかこっちにしようか迷って、奥様の鬼滅NGもあり、約ネバに決定。で、いろんな思いを抱えながら、家に戻ってすぐ感想を書いてるわけです。

まあアニメの実写化なんてツッコミどころばっかりなんで、見る前から批判するつもりになってたとこはあります。でも、ケチばっかつけるのは生産的じゃない。ちゃんと良いところも見つけて、気に入らなかったところも書く。お金払って見たんだから、それが豊かな映画の楽しみ方なんじゃないかと思うのです。

ということで、最初に良かったところ、その後に良くなかったところを書こうと思います。ちなみにマンガ、アニメは見ていないので「実は続きが」「原作ではこうだよ」というところがあるかもしれませんがご容赦いただけるとありがたいです。

さて、さっそくですが

よかったところ

①北川景子の存在感よ

北川景子は施設のシスターであり、裏では鬼の食用となる子供たちを見張る監督官である「ママ/イザベラ」を演じます。端正な美人顔を最大限に活かし、慈愛に満ちたまさに母のような表情、冷徹な表情を使い分け、後半では感情をあらわにする場面もあり、非常にふり幅の大きな役を演じています。動作もどこかアンドロイドを思わせる無機質なもので、特に中盤までは付け入るスキのない完璧な敵役。この人の持つ空気が映画の9割を作っていると言っても良いと思う。設定上の主役は子供たちですが、この映画の中心になっているのは間違いなく北川景子です。

終盤の子供たちとの対決シーンでは本当に目まぐるしく演技が変わります。必見です。

②エンディングテーマ

エンディングテーマは「ずっと真夜中でいいのに」(アーティスト名)「正しくなれない」(曲名)。両方曲名みたい。

このグループ好きなんです。芯の強さと子供っぽさを併せ持つ女性ボーカルと、ボーカルを引き立てつつ流れる流麗なピアノ伴奏、違和感もはらみながら骨太に背後で鳴るベース。アンバランスな組み合わせが危うさと緊張感を演出します。施設の大人と対峙する子供たちにピッタリはまる曲・アーティストだと思いました(流れるのはエンドロールだけど)

良いところはこれで終わりです。

ごめんなさい、ツッコミどころの方が圧倒的に多いです。ちゃんと良いところを見てとか、前半の能書きは忘れてください。度量の狭い人間なんですよ僕は。

良くなかったところ

①東洋人の顔して西洋人のフリするの、やめよう?

白人を描いたマンガが原作なので、日本人(アジア系の風貌ということね)キャストで実写化するという企画そのものの否定ですが、やっぱ違和感がやばいです。好みの問題かもしれませんが、アジア系の顔が白人を演じてる時点で説得力が激減します。

脇役にはしっかり日本語の話せる黒人の子役もいるもんだからなおさら「なんで主役が白人のフリしとんねん!」と魂の奥底からこみあげてくるものを抑えきれませんでした。ちなみに私は、ハリウッドがアジアやアフリカ等、違う民族を主人公とした原作を白人キャストで作ってしまう通称「ホワイトウォッシュ」も大嫌いです。宝塚歌劇を違和感なく楽しめる人たちなら良いのかも。ついでに「東洋人のフリして~」はMr.Childrenの某曲の歌詞からの抜粋です。

何か救いがあるとしたら、「原作はどうなってたんだろう」という興味がわいたことくらい。

②騒ぐ場所を選べ!

序盤で、孤児院の子供たちが実は鬼の餌として養殖されていることを知ってしまい、鬼のいる現場から主人公2人が逃げ出すところ。主人公の女の子が、何を思ったか逃げてる途中で止まり、ゆっくり独白し、絶叫します。見つかるし追いつかれるし、とにかくその行動はないでしょ、とげんなり。走りながら話すとか、部屋に逃げ帰ってから泣くとか、他にやりようはいくらでもあるだろうに。

他にも、孤児院のシスター(ママ)が敵なのに、シスターもいるはずの院内の部屋で大声で自分たちが知ったことを話し、信じられないとか騒ぎ、作戦について喧々諤々の大騒ぎをする子供たち。絶対筒抜けだからそれ。

③ドラゴンレーダーの使いどころ!

子供達には発信機が埋め込まれています。逃げ出そうとしてもどこにいるか、ママが持ってるレーダー(ドラゴンボールで出てくるレーダーにそっくり)ですぐ分かってしまいます。でも冒頭で主人公2人が門に行って、それにママが気付いた時点ではレーダー見もしない。そこで対応したらこの物語自体が始まらない。場面設定が杜撰すぎるのよね。

④ママ、見逃してるのわざとだよね?

レイは早い段階で施設の秘密に気づきます。それをママことイザベラに話し、協力する見返りに外界から色んなものを取り寄せることができる立場にいます。で、その立場を活用して発信機を解除する機械を作るんですが、取り寄せてるものが分かっててそれを止めもしないママ、わざとじゃなければアホ過ぎる。完璧主義のこの描写があったので私は最後まで「ママ、実は味方」説を捨てられなかったんですが、少なくとも最後まで見た感じでは見立ては間違いでした。

⑤柵、低すぎ問題

子供たちは、孤児院の敷地から外に出てはいけないといわれていますが、その敷地を囲うのは主人公たちの腰ほどの高さしかない鉄柵だけ。どう頑張っても越えられるからそれ。何がしたかったんでしょうか?

さらに先には高いコンクリート壁があり、そこはかなりの高さのため外に出られず、というか外の世界を見ることすらできません。この壁があるならさっきの鉄柵の存在意義は何?よく分からない。

⑥レイ、髪の毛の中に何隠してる?

さっきも出たレイの髪の毛がめっちゃ分厚いです。顔の高さの半分くらいの厚みがあります。知能犯だから中に何か隠してるのか(何も出てきません)?

⑦レイの滑舌悪すぎ問題

知能犯のレイ、滑舌悪すぎ。緊迫感のある場面、盛り上がる場面、周りの子供たちの掛け合い、全部この滑舌でぶち壊し。しかもこの子のもっと小さい頃の回想シーンがあるんですが、そこではこの子(別の役者だけど)、滑舌いいです。成長する間に何があったんでしょうか?

⑧松坂桃李、収録現場をハシゴか?

子供を鬼の餌として出荷する組織の黒幕的なおじさん(お兄さん)を演じる松坂桃李、爽やかイケメンのイメージにそぐわぬ金髪ロン毛(しかもなんか毛束感がすごい)で登場します。
第一印象は、「え?モップ?」
せっかくのお美しい顔面も、ボスっぽい低音ボイスも入ってきません。
だってモップなんだもん。
で、この黄色さ、薄汚さになんか見覚えあるなーと思ってたら、思い出しました。

これ、新宿○ワンの世界観だわ。

スカウトなのかお店の人なのか、ホストのお兄ちゃんなのかは分かりませんが、こうゆうのいた気がする!てゆうかそういう雰囲気!

きっと同時期に、松坂桃李は新宿○ワンのスピンオフでも撮影してたんでしょう。
で、きっと約ネバ側からも熱烈なオファーを受けたけど、ガッツリの出演は叶わないので、「じゃあ、前の現場からメイク、衣装ノーチェンジならなんとか…」という善意の歩み寄りがあって成立した特別出演に違いない!

日本映画はそういう情で実現する遊び心があるんですよねきっと(ないですよね)

⑨渡辺直美は何がしたかった?

途中参加の渡辺直美、クローネという役名で、もう一人のシスターを演じます。

そもそも演技が微妙な芸人が入ってくるだけでも映画は微妙になるものです。その上に意図のわからない(そして疑問が回収されるわけでもない)行動を繰り返すと雑音でしかない。建前としては「ママが標的にしている子供を見つける」「ママを陥れてこの施設のママの座を奪う」ということですが、早々に子供たちに対して「(鬼が出てくる)現場を見たか?」って「暗黙の秘密があるからこその緊張感」をぶち壊すこと聞いてくるし、自分が排除される直前に反体制派のメッセージが入ったペンを子供部屋に隠すし、雑というか意味不明というか。

あと、単純に演技が過剰でスッキリ入ってこないです。これは好みの問題かもしれない。渡辺直美ファンの方がいたらごめんなさい。

それから、渡辺直美は悪くないけど、シスタークローネが鬼にわし掴みされる場面があります。

鬼の手の映像と渡辺直美の映像がちゃんと連動してません。鬼に握られてる中で、上下、左右にぬるぬる動いてるように見える。低予算なのかもしれないけど、ハリウッドの出来の良いCGに慣れてると悲しくなります。

というわけでとっても楽しかった約束のネバーランド、もし幸いにもまだ見てない、特に原作もまだ見てないという方がいらっしゃったら、ぜひ原作をチェックしましょう!

自分でも原作読んでないから無責任に言いますが、これだけひどいデキの映画を作る企画が通ったんだから、きっと原作はすごいはず!

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集