ホームの神様。

「おじょーちゃん。」
と声をかけてきたのは、
サッポロビールを片手に持った、
ほろ酔いのおっちゃんだった。

私は夫のPちゃんと尼崎で、
電車の乗り換えをホームで待っていた。

おっちゃんは、私に
「あんたは悪いオンナやろ?」
と言い放つと、

私も
「なんでわかったん?」と言ってみた。

するとおっちゃんは、

ガハハと豪快に笑った。
陽気な酔っ払いとだと分かり安心した。

「ねぇ、おっちゃん。おっちゃん、結婚してる?奥さんは?」

電車が来るまで少し時間があった。

おっちゃんは、

「おったことない。一度も。」

と言って手持ちのビールを指差した。

「ワシは、コレに逃げたんや。酒は文句言わん。女は文句言うやろ?」
と夫に声をかけた。

夫も、
「そーです。そーです!」
と相槌を打っていた。

「おっちゃん、私たち次の電車でもう行くよ。」
すると、寂しそうに

「どこまで帰るんや?」

と聞くものだから、

「うーんと遠くまで。」

と言った。

「おっちゃんはまだ帰らないの?」
と聞くと、
まだしばらくホームで飲むと言う。

電車が来た。

「おっちゃん、気ぃつけてよ。ほな元気でね。」

電車に乗り込む私たちに、

ベンチに座っていたおっちゃんはムクッと

立ち上がって、叫んでいる。

「おじょーちゃん。おじょーちゃんは綺麗や〜〜!」

私はびっくりしておっちゃんに、

「知ってる。」

と言って笑ってみせた。

そして電車は発車し、

おっちゃんは何もなかったかのように、

またベンチで飲み始めている。

一体あのおっちゃんは、

いつから飲んでいたんだろう?

何でホームで飲んでいるんだろう?

どこに帰るのかな?

なんて・・・。

ふとおっちゃんの人生を考えてみた。

私の大好きな阪神電車は、

人のドラマであふれている。

久々の楽しい遠出でした♡

それでは、またの投稿で〜。

ciao♡

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あいみやん
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