タバコがやめられない夫、仲間を発見する
「大ニュース! 大ニュース!
お隣のおじさん、さっきお店でタバコを買っていたぞ!!
しかも一度に3箱も買っていたぞ!
タバコを吸うみたいだぞ!」
夫が興奮気味に帰ってきました。
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オーストラリアの喫煙者は、肩身が狭いです。
ただいまのタバコのお値段、25本入りで一箱40ドルを超えます。
為替を安く見積もっても一箱3000円以上ね。
1カートンの値段ではありません。
17年前にやってきた当時は、一応10ドルを下回る値段だったはずですが、年を追うごとにこんな値段になっていきました。
ここまで値段が上昇してしまうと、タバコを止める人も増えます。
喫煙者には風当たりが強くなったりします。
法律で、食事のできるスペースや公共のエリアは基本的に禁煙とされ、集合住宅に住んでいれば、外でタバコを吸っていると近隣から苦情が来るような環境。
結構肩身が狭いです。
我が夫も、止められないタイプ。
病気で一時入院した後という、禁煙をするのに都合の良いタイミングの時でも、タバコを手放すことはできなかった!
我が家の高額納税者、オーストラリアに貢献していると思うようにしています。
しかし、夫が家のガレージでタバコを吸っていると、お隣の家から咳き込む音が聞こえるようになりました。
それを気にした夫は、以降はお隣に面する扉を閉めて喫煙するようになったのですが、同じ場所で洗濯物も干していたので、扉を閉められると正直困る。
それでもお隣に迷惑をかけたくないので、しょうがないなあと思って不便を受け入れていました。
夫のいない時間だけ扉を開けて風を通し、帰ってきたら閉める生活。
そんな生活を半年ほど続けたでしょうか?
そしたら冒頭の事実が発覚したわけです。
お隣のおじさんも、夫同様、咳き込んでも止められないタイプだったっみたい。
以降、扉は常時開け放たれた、洗濯物に優しい生活に戻りました。
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ちなみに私はタバコは吸いません。
以前ちょっとだけ吸ってみたことはありましたが、自分の体と合っていないと気づいて、やめました。
その「以前」というのは就職活動期間中です。
まだ超がつかない程度の就職氷河期に、
自分はヤサグレているんだよぉー、
ということを自分に証明するためにタバコに手を伸ばしてみました。
友人も吸い始め、その時期はにわかに私の周りの喫煙率が上昇。
就活中に歩いていた名古屋の道端で、タバコのサンプル(しかもライトなメンソール)を配っているお姉さんがいましたが、あれは私たちのような、就活に疲れたやさぐれモードの新規顧客を発掘していたのかもしれませんね。
貰ったサンプルや自販機で買ったタバコは、当時住んでいたアパートのベランダとか、近くの小さな公園とかで吸っていました。
が、何度吸っても
うわぁ、今私の毛細血管がギュッと収縮してるんだろうな、
酸欠状態かな? とか
今一口吸ったけど、次の一口はあと何秒後に吸ったらいいのかな? とか
どのくらい短くなったら捨てるべきかな? など
頭に浮かぶ言葉が、どう考えても喫煙者になりきれない感じ。
タバコで格好をつけてヤサグレてみるのは止めました。
何事にも、人には向き不向きがあるようで…