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小説現代長編新人賞の結果と既視感について

小説現代長編新人賞


2024年の第19回小説現代長編新人賞に応募しました。これまで2年間で6本送っていましたが全て一次落ち。ところが、今年は一次を通過することができました。(二次落選)
紙面に名前が載るという経験は初めてのことで、自分の考えたタイトルやペンネームが文芸雑誌に印刷されているということはとても感慨深かったです。
所詮落選は落選、一次も最終も同じという人もいますが、私は選考を進めることには意味があると考えています。公募やコンテストの一次選考通過率は、大体1割~2割程度。その中に入れるというのは、とても大きな自信になります。創作活動は基本的に孤独な闘い。そんな中で自信をつけて、次のモチベーションに出来るきっかけと成り得るため、無意味とは思っていません。

選考通過すれば大いに喜べばいいし、かといって落選した時も過剰に落ち込まなくてもいいと思っています。大事なのは、心と筆を折らず創作活動を楽しく続けること。
落選理由を全て他人もしくは他要因のせい(下読みがとか、年齢がとか…)にしていると成長もしないので、ある程度反省点を見つけたら、次に生かしてまた頑張ればいいだけのことです。
とはいえ、心血を注いだ作品であればあるほど、切り替えは難しいんですけどね…。

私の課題

一次落選した作品には、短い講評が添えられていました。
要約すると私の場合は、
・展開に既視感がある
・かたき役のキャラクターが舞台装置化している
この2点でした。今回は前者の既視感について考えていきます。

以前、別のコンテストで別の作品を出した時も、講評に「既視感」という言葉が使われていました。

一度も見たことがないのに、すでにどこかで見たことがあるように感じられること。デジャビュ

1誤用から)過去にどこかで見た覚えがあること。「既視感のあるデザイン」

デジタル大辞泉

改めて「既視感」という言葉を調べてみました。
既視感があるというのは、どこかで見たような作品。つまり、新鮮味がないということですね。新人賞に応募するにあたって、致命的な欠点だと思います。

では、既視感のない作品を作るにはどうしたらいいのでしょうか。
以前読んだ横溝正史の作品では、ミステリを3パターンに分類していました。本屋に行けば、ライト系コーナーは「余命」「ごはん」「あやかし」で溢れかえっており、正直全て同じに見えてしまいます…。
既にある程度のパターンは決定されており、尚も既視感を感じさせなくするには、よほど意外性のある展開やキャラクターが必要となりそうです。
結末が読めてしまう(過去にどこかで読んだ展開)、やっぱりこうなったか、と思わせてはいけないということです。既存のパターンにどれだけ独自性や意外性を持たせられるかが勝負になりそうです。

では、どうやって独自性や意外性を持たせたらいいのか。
以前にある指南本を読んだのですが、既にあらゆるパターンが出揃っている昨今、複数の要素を掛け合わせるというのが、手っ取り早い方法だとされていました。
また、発想力を鍛えるのも必要かと思いますが、これが中々難しい…。所詮自分の発想は平凡な一般人のものだと痛感しています。お題や三題噺に挑戦するとか、常日頃からあらゆるものに興味を持つとか、ネタ帳を充実させるとかでしょうか…。
こんな方法で発想力を鍛えているというのがあれば、是非コメントで教えてください。

新人賞は特に独自性を求めているように思います。つまり、皆が苦戦するのがこの点だとも考えられます。逆にいえば、自分の作品にしかない発想や展開があれば、一歩抜きんでることができます。
私は二度も「既視感」という言葉を与えられている分、ここをクリアしなければ大きな成長は見込めないのでしょう。ひぇ…!

今後の課題としては、こんな感じでしょうか。
・三題噺などで発想力を鍛え、意外性や独自性を養う
・どういった点が新鮮だったか意識して読書をする
・あらゆるパターンの作品を考える
・キャラクター設定を固め、舞台装置化させない
・楽しんでたくさん書く

現在もネトコンやファンタジア大賞、妄想コンテストなどいくつか結果を待っていますが、今年中にあと一本は長編を仕上げられるように、頑張っていきたいと思います。

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