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ランドセルの色からにじみでる「男(女)の子らしさ」
先日、両親と一緒に来年小学生になる娘のランドセルを買いに行きました。
私が子どもだった90年代は、ランドセルといえば「 男の子は黒、女の子は赤」と決まっていて、違う色を背負っていると相当に目立ちました。
ですが時代は変わり、売り場には様々な色のランドセルが。
娘は最初「赤にする」と言っていたのに、実際に色とりどりのランドセルを目の前にすると迷いがでてきたようで、悩みに悩んで最終的に少しくすんだ色合いの水色を選んでいました。
5歳の娘にしてはちょっと大人っぽい選択。
店員さんに聞けば、ランドセルの色にも流行があるらしく、娘が選んだ少しグレーがかった“くすみ色”は、今のトレンドなのだそう。
へー、そうなんだ。
そんなこんなで、おばあちゃんにランドセルを買ってもらえて満足そうな娘を横目に、ずらりとランドセルが並ぶ売り場を見てふと思ったことがありました。
女の子の売り場と、男の子の売り場が明確に分かれている―。
最近のランドセルは、色の選択肢が多いだけではなく、側面や裏地に装飾が施されていて、そのデザインが女の子はハートやハイヒールなどの “女の子らしい” もの。 男の子は幾何学模様やエンブレムのようなものが多いです。
色のバリエーションをみても、女の子は水色・ピンク・ 赤・紫・キャメル ・アイボリーといった赤系やパステルカラーが多く、男の子は黒や青、紺、深い緑など青や黒をベースにした色ばかり。
「男の子は黒、女の子は赤」ではなくなったかもしれないけれど、それぞれの性別で選択肢が広がっただけで、「女の子が青」を選ぶことや「男の子がパステルカラー」を選ぶことは、そもそも想定されていないように感じました。
結局、選択肢がある一定の規範の中に収められているという意味では、「男の子は黒、女の子は赤」の時代から、本質的には何も変わっていないのかもしれません。
しかも難しいのが、娘が一時期「お兄ちゃんと一緒の、黒がいい」と言っていた時に、「どうしたものか…」と考えてしまう自分がいたことです。
“別に、女の子が黒いランドセルを背負ってたっていいじゃない。私だって黒いショルダーバッグを愛用している。”
と思う一方で、
“女の子が黒いランドセル背負ってたら、かなり目立つよな。いじめられたりしないかな。”
と不安になってしまう自分も確かにいる。
“ランドセルの色なんかで「女らしさ」「 男らしさ」を暗に規定されてしまうのはおかしいのでは?”
という考えと、
“悪目立ちしないで、規範の中に収まって いる方が何かと楽である”
という矛盾する考えが、私の中に渦巻いていました。
自分の中の意識も、世の中の意識も
「ランドセルは、男女に関わらず好きな色を背負えばいい」
と変わっていくことを期待するのでした。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。