インフルエンザの予防接種で息子の成長を感じた話
毎年この時期になると私を憂鬱にさせる問題があります。
それは、息子のインフルエンザの予防接種です。
小学2年生になる息子はとにかく注射が苦手で、赤ちゃん頃から予防接種を受けさせるのがものすごく大変でした。
定期接種が落ち着いてからも、インフルエンザだけは毎年打たないといけないんですね (任意ではあるのですが) 。
息子は、予防接種に行くことを伝えただけで怖くなってしまい、注射が終わるまでずっと不穏な状態です。
しかも、注射を打つ時にも力が入ってしまうので、体が大きくなってからはまるで格闘技のように息子の腕や足を押さえつけて注射に臨まなくてはなりません。
本人もかわいそうだけれど、親である私も子どもを痛めつけている気分になって、どっと疲れます。
最悪だったのは、昨年です。
接種の予定を伝えると不安になってしまう息子のことを思って、あえてちょっと遠めのお店に行くふりをして、いきなりクリニックに連れていきました。が、これが大失敗。
息子としては、予防接種の恐怖に加えて「だまされた」「納得できない」という思いが重なって、もう軽いパニック状態…笑
空いている時間帯を選んだものの、ずっと大きな声で泣き叫んでいるので、具合が悪くて来院している患者さんにも気を使います。
「嘘ついてごめんよ~」と思いつつも、私は気が気じゃありませんでした。
去年の反省を生かして、今年は「直前までだまっておく作戦」は封印し、当日の朝に予防接種を受けに行くことを伝えました。
この日は学校もあったので、日中の活動に支障が出ないか心配でしたが、学校に車で迎えにいってそのまま直行することになるので、心の準備が間に合わないだろうと思ったからです。
「え?注射なの?」
「本当に今日なの?」
この時点で涙目にはなってはいましたが、なぜ予防接種が必要なのか丁寧に説明すると、なんとなく理解はしている様子でした。
そして夕方、私も覚悟を決めてクリニックに向かったのですが、ここでの息子の態度にびっくり。
去年はあんなに泣きわめいていたのに、やや緊張の面持ちではあるものの、まっすぐに前を見て動じる様子がありません。
名前を呼ばれて診察室に入った時は一瞬だけ不安げに私の方を振り返りましたが、お医者さんの診察を受け、いよいよ注射という段階になっても、泣いたり騒いだりする様子が一切ありませんでした。
え? 嘘でしょ??
一年で、こんなに違う???
息子の成長にびっくり!
かつ、こんなに気合を入れてきたのに、なんだか肩透かしを食らった気分でした。
きっと注射そのものは変わらず怖かったはずだけれど、その気持ちを爆発させることなく自分の中でうまく処理することを覚えたのだと思うと、この1年の成長はものすごいなと思います。
帰りの車の中で、
「すごいじゃん。強かったね、全然泣かなかったね」
と声を掛けると
「まぁ、これくらい普通でしょ」
とすまし顔。
いやいやいやいやいや・・・
君のために、私は毎年、毎年、苦労してたんだからね。
毎回、相当な気合いとエネルギーを使って臨んでいたんだからね。
と頭の中で突っ込みを入れずにはいられませんでした。
それでも今日の君は、本当によく頑張った。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
※補足
インフルエンザの治療や予防に、吸入薬を使用する場合があります。予防投与には保険が適応されず全額自費となりますが、どうしても注射を避けたい場合は、かかりつけ医に相談するといいと思います。
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