♯54 人生を後悔しないためには?高齢者との会話から見出してみた
リハビリの専門職という仕事柄、ご高齢の方に関わる機会が多いです。
80代、90代、中には100歳を超える方まで!
「もうこの年なんだから、リハビリなんていらねぇよ~」
と言うおじいじゃん・おばあちゃんに対し、必要性を説明し、粘り強く話しをきき、あの手この手でいい気分になっていただいて、車椅子に乗る練習や、歩く練習を行います。
( 基本的に、手術後や体調を崩した後に積極的に体を動かしたい人はいませんから「リハビリやりたくない」は普通の反応です。ご高齢の方ならなおさらです。)
私の職場では担当制をとっており、基本的には毎日、同じ患者さんに40分程度のリハビリを提供します。
毎日顔を合わせて一緒になって頑張っていると、時に患者さんが私のことを信頼してくださり、おそらく他人にはしないであろう深い話をしてくれることがあります。
・家族との確執
・どうしても忘れられないトラウマ的な経験
・人生への後悔
・普段、人には遠慮しているような自慢話
などなど。
いろいろな方の、様々な人生に触れる中で「人生に後悔が少ない人」には、共通点があると思うようになりました。
あくまで私の個人的な見解ですが、10年以上、多くの高齢者と関わってきた中での気づきなので、まったくの「主観」というわけでもない気がしています。
①自分が時間を掛けてやってきたことを肯定的に捉えている
男性の場合は主に仕事に関わることが多いです。
「あの道路は俺が作ったんだ」
「何百人の部下を束ねてきた」
といったことを誇らしげに語ります。
女性の場合は子供を立派に育て上げたことが、これに相当することが多いです。
自分が過去に多くの時間を掛けてやってきたことを肯定的に捉えている人は、人生に後悔が少ない印象です。
ここで面白いのは、「何を成し遂げてきたか」という成果の大きさではなく「それをご本人がどう捉えているか」が重要と思われる点です。
例えば、現役時代は仕事に忙殺されて、家族と過ごす時間はほとんどなかったけれど、社会的に高い地位まで登りつめたAさんとBさん。
現在の家族関係も良好で、似たような半生を過ごしてきたように見えます。
ですが、Aさんは自分の仕事に対し強い自負を持っており、過去の仕事について楽しそうに語るのに対し、
Bさんは「あの時は仕方なかったんだけど、本当は子ども達が小さいときにもっと一緒にいてあげたかった。今思うとそんなに一生懸命、お金を稼ぐ必要もなかった」といった後悔を語ります。
おそらく、Aさんにとって仕事は「自己実現の手段」、Bさんにとっては「家族を養うための義務」に近いものだったのかなと思ったりします。
➁やりたいことをとことんやってきた
これは圧倒的に独身の男性に多いのですが、
「趣味に没頭してきた」
「 遊びたいだけ遊んできた」
という方も、
「俺は、やりたいことやってきたから、いつ死んでもいいんだ」
とサラッと仰います。
たとえ、過去のお酒の飲み過ぎが、現在の病気の原因になっていたとしても、
「あんだけ好き勝手やってきたんだから、しゃーねぇよなぁ」
とまるで、他人事のよう。
やりたいことを、思う存分やれたのなら、確かに後悔は少ないだろうと想像します。
繰り返しになりますが、ここに書いていることは、あくまで私の個人的な見解です。
不可抗力の不幸に見舞われれば、「なんであの時…」と何年にも渡って後悔してしまうこともあるでしょう。
ですが、
「自分が時間を掛けてやってきたことを肯定的に捉えている」
「やりたいことを、とことんやってきた」
この2つは、私が残りの人生を後悔しないで生きるためのヒントになってくれそうです。
もしかしたら、読者の方の役にも立つのでは?と考え、投稿してみることにしました。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。