40

40歳になった。
10年前に西荻窪の居酒屋で言われた「30代なんてあっという間だよ」って言葉の通り、1日の比重がだんだん小さくなり、とんでもないスピード感ですり抜けていった。
「駆け抜けた」という言葉ではなく、体と心の隙間をぴゅーっとすり抜けていった感じ。心地よいそよ風でもなく、自分が走ることで感じる向かい風ではなく、誰かに創り出された安い扇風機のような居心地の悪い風が「すり抜けて」いった。
結婚もしたし、子供も生まれたし、家も建てたし、転職もしたし、病気もしたし、着実にメタボ化も進行中だし、コロナにかかって入院もしたし。
何かを成し遂げたか?と言われると「Yes」と答える自信もないし、生きる意味を悟るほど達観もしていない、日々苦しくて、でも家族が周りにいてくれるだけで幸せだとも感じることもあった。
思い返す記憶は、総じて苦い。
社会人としての誇りもたいしてないし、部下に偉そうな顔できるほどのスキルもない。
たまに、昔好きだった人はどうしてるかなーとか考えたりもするけれど、元気に生きてくれてるだけで、それはそれでいいのかもしれない。

コテンラジオで言っていた、人間は「存在」だけで意義がある。

きっと真理だと思う。
どんなにクソおやじだとしても、誰かの親であり、社会の歯車であり、もしかしたら残り半分の人生で何かを成し遂げる可能性もゼロではない。

友達も少ないし、給料も特別高いわけではないけれど、
極力イライラせずに、陽転思考で1日1日をリラックスして生きていきたい。

40代
振り返ったらニヤッと笑える時間を過ごせたら、
きっとその選択は間違いではなかったと言えるんだろうと思う。

3年前に亡くした友人の分まで、なんて言えないけど、
そいつに見られても恥ずかしくない時間を過ごしたい。

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