エッセイを読むオットセイ

 今日も晴れ。窓枠を見上げると青い空ともくもくの雲が浮かんでいる。先週まではいかにも入道雲で水蒸気を感じるようなボリュームだったのに、いつの間にか薄っぺらい綿菓子になった。
 なんとなく涼しくて風も優しい。秋の気配がする日だ。中学時代も高校時代も同じようにだらけていた。そこは変わっていないようだ。私はこのままではいけないとか、落ち着かないとか感じながら衝動的に何かを始めて、飽きたらやめた。

 そして疲れたら床に転がる。あーあ。身体って重いなぁ。それはあんたが動かないからじゃい。
学生時代と今は変わらない。

 私は横向きに寝転がるのが好きだ。本や何かも横向きにして読む。そうすると肩が内巻きになるので、一通り休んだあとに腕を回す。筋から音が聞こえると、なんだかほぐれているような気になって気持ちが良い。
 きっと私がごろごろだらだらとするのは、祖父の背中を見て育ったからだろう。
私は幼い頃から祖父と笑っている。
仕事から帰ったら寝そべってお笑いを観る。そのまま「へへへ、バーカでぃ」とか「おまえ、これ、これ分からないのか」なんて言われながらギャグの特別講習を受けた。
 だから私は今でもごろごろすることが好きなのだ。この姿勢で思い出すことがあるのだ。

 最近は本を読む。なんだかエッセイが面白い。だけどあまりにゆるみすぎて私が。
そろそろ衝動的でも良いから動きたい頃だ。続かないと言いながら続ける時期が来た。
 これ以上太ってオットセイみたくはなりたくないなぁ。みっともないなぁ
 そう思いながら痩せて、また何か楽しいことをするのが常だ。もうやることは決まっている。
いつもそうだ。
結局手を付けてしまう。しかしそれがないと、おっとっととなる日が来る。
得体の知れないようでいて常連のような不安に襲われるが、大丈夫。
 寝そべってお笑い観始めた頃からずっと一緒にやってきたやつさ。段々と乗り越えていくやつ。だから忘れてしまっても問題の無いことで、覚えていてもどっちでもいい話。

今日も部屋を片付けることから始めよう。


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