【ウエスト症候群】完治してから今日まで
娘のウエスト症候群が完治してから、約1年半が経過し本日無事3歳を迎えました。先日、通院している病院の発達外来に行ってきましたが、血液検査等も問題なく良好で、体重・身長ともに順調な成長を確認してきました。
生後8ヶ月でウエスト症を発症してから、薬漬けの8ヶ月間。鍼灸治療を取り入れてからは、たった1ヶ月でてんかん発作が消滅しました。
それも鍼一本で。
聞こえは怪しく胡散臭いと思われがちだし、私自身が「奇跡」という言葉を使わずにいられなかった回復劇。もちろん本当の話で、今日を元気に過ごす娘がそれを証明しています。3歳を笑顔で迎えることができるのは宏枝先生のおかげです。検査で脳波に乱れがないことを確認した2022年5月以降の、その後の娘の様子と私自身の変化を記録しておきたいと思います。
さよなら大学病院
鍼灸治療において、病院から処方される薬の服用は回復の妨げになります。
鍼灸での治療が娘にとって効果的であることを確信してからは、自己の判断で薬を減量して服用薬0にしてしまい、医師からの指示を完全無視したことで、その後病院へ行きづらくなってしまいました。
けれど当時の私は半年に一度程度の脳波検査だけは継続させてほしいと強く思っていたので、病院との繋がりをどうにか大切にしていこうと思っていました。
でも、発作はもちろんないし表情豊かで肌艶・血色よく見るからに元気。
別で通院している発育でかかりつけの病院の医師にも、何も問題ないと太鼓判を押してもらえている。
順調に成長する娘の姿は、脳波検査に連れていく意欲から私をどんどん遠ざけていきました。
検査はしておいたほうがいいと思っていても、検査のために飲ませる睡眠導入剤が怖くなってしまっていました。診察へ連れて行ったら、分かり合えない医師との会話と、不要なてんかん薬の処方が待っていると思うとなおさらでした。
その結果「念の為の脳波検査」を必要とするのもやめてしまい、大学病院に通う理由がなくなり、それから一度も脳波検査はしていません。
薬がこわい
私が検査を懸念するようになったのは、脳波検査をする際に飲ませるトリクロール睡眠導入剤。検査前に当たり前に服用させていたこのシロップ、闘病8ヶ月の間に、何度も飲ませたこのシロップですが、眠くなくても寝ってしまうほど強い作用のある薬で、よく考えてみるととても怖い。その薬の使用が必須である検査を拒否してしまうのは、発作を減らすために与えていた薬による影響で、体温を失った娘の身体の冷たさを覚えているからだと思います。布団の中で、ひんやり冷たい娘に自分の体温を与えるかのように寝ていたこと、汗をかくことを知らないサラサラした白い皮膚。薬は症状を抑えるために、人にとって必要な細胞の働きも止めてしまっていました。
そのことを経験して理解してからは、風邪薬や整腸剤すら、飲ませるのがこわくなってしまいました。
風邪を引いたら鍼灸、腹を下したら鍼灸が娘の基本です。
あれから薬は何も服用していません。
日頃から適度な運動や漢方を取り入れた食事・休息や睡眠に気を使い、自分に対しても家族に対しても薬に頼らずにいられる体づくりの意識が強くなったことがこの一年半での一番の自分の変化だと思います。
2ヶ月間鍼灸治療をサボった結果
脳波が整い、完治してからもしばらくは週1で通っていた鍼灸治療。
宏枝先生の治療は、脈を見て全身を整えることが基本なので、一瞬だけ熱さを感じる小さなお灸がなくなった以外は、治療内容は発症時とやっていること自体は変わっていません。(変わっていないように見える。)
娘が持つ自然治癒力を高める目的はもちろん、サブリル服用によって異常な数値が確認された眼のケアや、低緊張による筋肉の弱さへの補強、ダウン症特有の顔つきが緩やかになるようになど気になること全て補ってくれることを期待して頻繁に治療に通いました。しばらくは完全に信者状態。笑。
毎回10分程度で終わる治療ですが、治療後に娘の動きが活発になったりおしゃべり(発声)が頻繁になるので発達促進の効果を感じることができました。何より、娘の脈が正常で元気であることが確認できるだけで安心でした。
2024年4月に保育園に入園してからは2週に1度で様子を見ました。
発作の再発の心配はしていないので、あくまでも発達促進目当てだったけれど、治療やめたら再発するのかな・・?元気な娘をみる限り、再発はなさそうだけど・・どうなんだろう?
2024年夏 激猛暑と仕事の多忙を原因に、2ヶ月間治療をサボってみた。
結果、発作は出なかったしずっと元気でした。どうみても完治していて、再発の心配はいらなそう。それを再確認し、より安心することができたサボり期間でした。
そのあと2ヶ月ぶりの鍼灸治療をした娘はまた絶好調で、身体や足を大きく動かしたり、大きな声で話したりの変化があるので治療は引き続き月2回は受けたいなと考えています。
ウエスト症による脳への影響
ウエスト症候群発症後から完治した後まで、ずっと気になっていた後遺症の有無。発達退行や停滞するほど脳や身体に影響が出るのだから、脳への何かしらの影響が残るのではととても心配していました。もともとのダウン症による知的な障害にさらに何が加わるのか と。
ダウン症児は人の半分の速度で成長すると言われています。1歳だったら6ヶ月、2歳になったら1歳、そんな目安でゆっくり成長するのがダウン症の我が子です。脳波が整ってからは順調にハイハイ、お座り、つかまり立ちを習得していきましたが、これが順調なのか遅いのか比較対象がいないので分かりません。
ウエスト症候群が完治してから4ヶ月後の9月頃(当時1歳8ヶ月)から市の療育機関に通うようになりました。そこには同じ年頃のダウン症の子供たちが数人いて、皆んな娘と同じようにハイハイ、お座り、時々立ち上がるなどといった動きをしていて、全く遅れていなかったことにびっくりしました。停滞、退行していたというよりも、やれなくなっていただけで、ちゃんと成長していたんじゃないかな。完治してからの習得が早かったのも、すごい勢いで取り戻していってる感じがあったのも、病の中でちゃんと成長していたからじゃないかなと思います。私の個人的な感想ですが。
そして赤ちゃんすぎて分からなかった知能の発達のほうも、3歳になった今、周りに全く劣らない成長ぶりです。言っていることは理解しているし、人の真似っこができるし、簡単なダンスの振り付けもできるし、なんなら言葉は同じ療育教室に通う子供たちの中でも1番話せていると感じています。単語が3つほどですが、話せているのは娘だけです。身体の発育も、先日の発達検査では健常児の成長曲線枠内の中央よりやや下という結果でした。ダウン症児の成長曲線枠ではかなり上のほうにいたので大きめのダウン症児のようです。
ウエスト症候群を発症したことによる、後遺症は今のところ見当たりません。
鍼灸治療という選択肢
娘はダウン症です。ダウン症児の親は、産後に大学病院など大きな病院にお世話になることが多いのでその時に知識として「ウエスト症候群を発症しやすい」という知識を身につけます。ダウン症児は、点倒てんかんを発症しやすい身体の要素を元々持っている ということなんだと私は思います。
健常児が発症する点倒てんかんは、原因不明だったり脳の異常や高熱といった何かをきっかけに発症するものがあり、ダウン症児が発症するケースとはまた違うように思います。原因も症状も全然違うのに、西洋医学では乳幼児のてんかん発作を全て「ウエスト症候群」と呼んでいるのでは?と思うのです。
※あくまでも私個人の意見です。医師でも鍼灸師でもなんでもないのでこんな発言できます。(宏枝先生の場合、脉を見るので身体にでている症状が全然違うということがお解りになっていますが、私はわからないので。)
てんかんの治療薬はたくさんあります。娘も何種類ものてんかん薬を投薬しました。いろいろ試して効果的な薬に出会えず、鍼灸に辿り着き回復することができました。時間をかけて、娘の症状に合った治療法を見つけてあげることができたのです。
私の娘の症状の場合は、鍼灸が効果的だった!ということを伝えておきたいのです。決して「ウエスト症候群」は鍼で治せるよ!と言いたいのではなくて、鍼灸という治療法も選択肢にあるよ!ということを、広く知ってもらえたらなと思っています。
今思うこと、伝えたいこと
先日、遠方から治療院に1歳前のお子さんを連れてきたお母様にお会いしました。娘の完治までの道のりを、「記事に書いてくれてありがとう」と言ってくださいました。すごく励まされたということと、私が書いてなかったらここに来て治療を受けることができていなかったという感謝の気持ちを伝えてくださり本当に恐縮でした。
たくさんのお問い合わせのほとんどが県外であり、娘とはまた違った症状やケースのお子さんが多く、何ができるのかはっきりと示すことも難しい東洋医学の世界で、その中でも特殊で数少ない伝統鍼灸で、難病患者ばかり増えて先生を困らせているのではないかとか、今後どのように対応していくかと悩んでいたときに、そのようなお言葉をいただけたことは私こそ、大きな励みになりました。ありがとうございますです。
病院に通うと、西洋医学にどっぷり浸かってしまうものです。
もしそこに疲れてしまって離れたくなってしまっても、回復の可能性は0じゃない。
ウエスト症候群をはじめ難病と呼ばれる多くの病も、その人に合った治療法を見つけることで回復する可能性があるということを私の体験談から知ってもらえればと思い、こうして経過を記録しました。
今後も細々と発信することを続けて、必要な方に届いたらいいなと思ってます。