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伊能忠敬の測量日記・現代語訳【1800年6月3日】〜測量44日目〜


今日も風が強いので留まります

同三日、朝曇天.坤風度々雨あり。夜も又同じ。逗留。

伊能忠敬 測量日記 1巻 15P

寛政12年6月3日。

朝は曇り空。
南西の風が吹き、たびたび雨が降りました。
夜も同様の天気でした。

この日も、一昨日から滞在している
「鷲ノ木村」に滞在しました。

1800年の地図
赤丸が、滞在地。

紛失した測量器具が見つかった

此日三既村庄屋忠兵衛方より書状送り触、猶箱館より添触にて大方位盤銅具継送相届。

伊能忠敬 測量日記 1巻 15P

この日、三既村の庄屋である
「忠兵衛」の家から書状が送られてきました。

さらに箱館(函館)からの伝達により、
大きな方位盤と銅製の器具が届けられました。


測量器具を届けるために、
伊能忠敬が滞在する村へ向かう村長の様子。


運の悪いことに、ヒグマと遭遇した村長。


測量器具と一緒に届いた手紙

三既庄屋 工藤忠兵衛配賦覚、公儀御役人 伊能勘解由樣御失念物 油紙包縷結差札封印附、途中随分労候而相達候様、此旨得御意候。

伊能忠敬 測量日記 1巻 15P

測量器具紛失事件の担当者
三既村の庄屋「工藤忠兵衛」

からの手紙の内容です。


公儀(幕府)の役人である
伊能勘解由様(伊能忠敬)の忘れ物です。

油紙で包んだ荷物(小包)が届けます。

荷物には白い糸で結び、札と封印が付いています。(現代で言う書留に近い・重要なものを送るときに使う)

道中で多くの労をかけていただきましたが、
(荷物の運搬が無事に終わったという意味)
無事に届けられましたことをご報告します。

以上、ご承知おきください。

測量器具を守るために戦う村長。
野生のヒグマには敵わないと逃げる村長。


運搬者からの手紙

松前城下それより御領箱館迄、右の宿村名主年寄中箱館月番名主 大野村初添触、外に工藤忠兵衛より配賦添。

伊能忠敬 測量日記 1巻 15P

松前城下(松前藩)から、
御領地である箱館(函館)まで、

宿村の名主(村長)が、
責任を持って運搬しました。

月番の名主として、
大野村の初添触(連絡係)が担当しました。

さらに「工藤忠兵衛」が
物資(測量器具)を追加して送りました。

運良く鹿の群れと遭遇した村長。


ヒグマが鹿を追ってる間に逃げた村長は、
無事に函館に到着した。



↓測量器具を紛失した時の日記。

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