冥府魔導に生きる道
「子連れ狼」を読了しました。
声にならず口をあけて泣いてしまった。
小池一夫さんも凄いですが、小島剛夕さんの劇画も素晴らしいです。小島剛夕さんって白土三平さんの元お弟子さんなんですよね。やっぱり白土三平さん 凄すぎる。みんな天才‥!
子連れ狼といえば、父と子の親子の話ですよね。途中までは、(父)拝一刀 と (子)大五郎 の話だと思っていたんです。
でも、あの最後のシーン。
拝一刀の宿敵 柳生烈堂(柳生義仙)が大五郎に言う「わが‥孫よ‥」。この台詞はそのままの意味ではないのか と思いました。
つまり、大五郎は柳生烈堂の孫。
そうなると【拝一刀は柳生烈堂の息子】もしくは【拝一刀の妻 薊(あざみ)は柳生烈堂の娘】‥のどちらかになると思います。
父子の話ということもあって、私的には 拝一刀の父は柳生烈堂説 が強いと思っています。
ちなみに妻の薊は、花のアザミからきています。アザミの花言葉は「復讐」です。
拝一刀と大五郎は、父と子でありながら、互いにひとりの人間として尊重し自立している関係が素晴らしいと思いました。
親子こそ ポジショントークで接してしまいますが、愛情は幼少期の肉体のスキンシップであって、あとは自由でいいんだと思います。何もしないがいちばん。自由にさせておけば勝手に学んで行動する それが子の幸せへと繋がると日々痛感しています。
後半に出てくる阿部の怪異はまじ最高ですね!
彼の生臭い人間らしさがすごく好きです。
切腹を命じられたシーンは特に好き!
いくら 切腹が名誉ある死に方 と言われたって、自分で自分の腹を切り裂く とか 痛いし怖い怖い怖い‥ですよ。死にたくない!と叫びまくり その辺にいる人を斬りまくって生きたいと叫ぶ‥ って本当に人間らしい。泣くわけでもなく 懇願するわけでもなく 欲望をそのまま行動に出しちゃってる 阿部の怪異が愛おしいです。
父君に認めてほしかった言葉を拝一刀に言われた時の もう死んでもいいや満足 って感じもいいですね。人間ってほんとそんなものなんですよ。だから優しさって大切。
孤独で寂しくて耐えられない 死にたい 死にたくない 助けて を出しまくってるひとは結構好きです。近い数年後には 仮想現実行きポット に入ってるかもしれない ことを思うと 尚のこと「人間らしい醜さ」は とても美しくて魅力的だと思いました。