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黒滝村の昔話「姥捨て山(1)」

◎この昔話は、話し言葉のまま書いてます。

とにかく、そのお婆さんが年寄って、
そして、そのう、
どうにもならんようになってから、

よう自分の体を、
どうにもならんようになってから、

その、姥捨て山へ捨てに行かれるのには、
その、お婆さんが途中で、
姥捨て山に行く途中で、

木の枝とか、あるいは草の根とかいうのを、
その、折って、そしてずっと
姥捨て山へむいて連れてってもろうたんや。

まあ、それは息子ですわねえ。

その息子が、お婆さんを、
まあ負うて、姥捨て山に連れていくのに、

お婆さんは、その、
通り道の草の根とか枝を折って、

そして、目印をしもって
その姥捨て山へ連れていってもうた。

そしてその、息子に、
「帰りは道を間違えんように帰れ。
わしがいろいろと印をしてあるから」
いうように言うて、

そして、お婆さんは、
そこで一生を終わったような、
そんなような話と違いますか。


黒滝村 赤滝の山口 庄一郎さん

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