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妙齢のクリスマスの過ごし方(#リュクスなクリスマス)
今年のクリスマスはどのように過ごしますか?。
私はきっといつもと変わらない一日を過ごすのだろうと思う。今となるとそれが切ないとか悲しいとか思うことがなく、忙しく走り回っていて、ふとしたときに「ああ今年が終わってしまう」という焦燥感だけが募る。クリスマスがそれほど特別な日と思わなくなったのは「妙齢」になったこととやはり子供が「こども」でなくなったからだと思う。そして「時代」がそうさせたのかもしれない。
ちょうど私たち「妙齢」(そんな年齢はないが)がクリスマスが一年で一番幸せな日でなければいけなかったころはW浅野(浅野ゆう子・浅野温子)や、東京ラブストーリー、29歳のクリスマスといったラブストーリードラマ全盛時代。世の中的も「恋愛至上主義」だったような気がする。だからクリスマスは恋人とおしゃれなレストランとホテルで過ごさなくてはいけなかった。まあ別にいけなかったわけではないけれど、過ごせた人は勝ち組で、できなかった人は負け組と勝手に組分けされていたというか、自分の中で組分けしていたかもしれない。
でも、そんな日を過ごすことができる人がどれだけいたのかといえば、それほどいるわけではなくて、ウォークマンでマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」を聞くだけなんて人もたくさんいたと思う。
私もそうだった。
だから、クリスマスなんて無ければいいなと何度も思った。大好きな人と一緒にいられないのであればこの一年で一番寂しい夜になるだけだから。
東京は夜の七時
ピチカート・ファイブのこの曲は別にクリスマスの曲というわけではないが、なぜかこの時期になるとこの曲を思い出す。
あの頃の勤務地は東京都港区だった。窓から見える東京タワーは威圧感を感じるほどの大きさだった。だからなのかわからないけれど私にとって特別なものでクリスマスには恋人と東京タワーに登ることを夢見ていた。
トーキョーは夜の七時
本当に愛しているのに
とてもさびしい
あなたに逢いたい
それなのに、クリスマスが近づくと恋人が消えてしまうという魔法によくかかっていた。また例えうまくいっていても、クリスマスは大好きな恋人が別の人と一緒に過ごすということを知ってしまうこともあった。
しかたないのでクリスマスイブの日、何の予定もないのにいつもよりもオシャレなワンピースを着て、3cm高いヒールを履き、普段と違う色の口紅を塗って一人表参道を原宿方面に歩いてみた。そこはカップルしか通れないのではないかと思うほど幸せに満ちていた。どうしてわざわざそんな幸せの中に足を踏み入れているのだろうと自分でも不思議になる。もしかすると私の中では一人ではなかったのかもしれない。妄想の恋人が一緒に歩いている気分だったのかもしれない。
でもクリスマスのことを嫌いになれなかった。あーあ嫌いになれればこんなに切ない思いをしなかったのに。それでもやっぱりキラキラ光るイルミネーションや見上げてしまうクリスマスツリーは心惹かれる。だから切ない。
だからクリスマスなんてなければいいなんてやっぱり言えない。あの日だけは夢を見たかったから。
クリスマスじゃないけど
とてもさびしい
だから逢いたい
妙齢と言われる年齢になった今、まだ一度も東京タワーを恋人と登っていないことを思い出した。
ヨコハマは夜の七時
今年は新型コロナウイルス感染で始まり今でも拡大し続けている。クリスマスで浮かれている場合ではない世の中。今年はかつて恋人たちがこぞって集まった表参道のイルミネーションが中止。その他の場所でもクリスマスイベントなどが中止されている。「クリスマスなんてなければいい」なんて願ったことを後悔している。クリスマスが盛り上がるということは決して当たり前ではなく、平和な世界だったからということを改めて思った。
ヨコハマミライトは、横浜駅東口方面から みなとみらいエリアさくら通りまで続く全長約1.5kmにも及ぶイルミネーション。幻想的な色のイルミネーション。このイルミネーションは2月14日のバレンタインデーまで続く。
※ 美術の広場
そんな今年のクリスマスはいったい何をしているのだろう。きっと日中は普通に仕事をして、自分へのご褒美として帰りに美味しいケーキ買うくらいかなと思う。
クリスマスなんてなければ
いつも通りの何にも変わらない夜なのに
本当は温かい手に包まれたいと思った。このイルミネーションの下をあの人の左手を掴んで歩く。そして「寒いからカフェラテで温まろう」といってちょっとだけオシャレなカフェに行き、時々手を触れながらなんてことのない雑談をして「この人と一緒にいることができてよかった」なんていうクリスマスに憧れる。
若い頃は先のことなんて全く考えていなかった。せいぜい一週間先のことが一番遠い先で、熱い夜を求め次の日には冷めきったとしてもそれでもよかった。今は「先の見えない未来」と「見えているけれどその道中が見えない未来」のことがいつもくすぶっている。その未来を過ごせる時間が限られてきている今、ずっとこの温かさを保っていたい。
夜を泳ぐように過ごしたあの瞬間を
このスノードームみたいに閉じ込められたら
それは決してクリスマスに限らない。いつでも優しい時間を過ごしたいというのが今の最大の願いかもしれない。
リュクスなクリスマスソング
最後に、リュクスなクリスマスということで、ちょっと大人なクリスマスソングを。私にとってクリスマスソングはやっぱりマライア・キャリーのAll I Want For Christmas Is Youを最初に思い浮かべる。この曲は1994年に発表されておりドラマ「29歳のクリスマス」の主題歌でもあった。このドラマ今思い起こすとかなりドロドロだったが、あのころはまだ経験が少なかったからかあまり理解できなかった。ラストシーンは幸せだったのかわからないが、この曲はこの世の中の人たちを幸せにしたと思う。
大人を感じる落ち着いた曲を集めたクリスマスプレイリストをどうぞ。
今年のクリスマスは皆さんにとって幸せな一日が過ごせますように。