教え子の出前授業
11月1日(火)に、教え子W君の勤務する会社から出前授業をしていただきました。
きっかけは、会社説明のために6月29日(水)に彼が来校したことにさかのぼります。今まで学卒しか採用してこなかったが、今後は高卒採用もしていきたいとのことでした。
建設コンサルタント業や航空測量などを中心に手がけている会社です。
具体的には、UAV(ドローン)や地上レーザ計測、GNSS(GPS)による測量などを行っていて、それはとても先進的かつ魅力的な内容であるとともに、勤務校土木科の測量機器にはない、最新鋭のものばかりでした。
そこで、「ぜひ出前講座を!」との機運が一気に高まり、何度か打ち合わせを経て、実現しました。
普段の学校教育での実習機器は「最新鋭のもの」とはなかなかいきません。
そこで今回のような、最新鋭の機器や技術を持ったプロの方に学ぶ機会はとても重要です。
教え子のW君は、私が初任校で初めて担任をした生徒です。
クラスは全体的にやんちゃでしたが、その中でもかなり元気が良い生徒でした。
若い私は、全く遠慮しないで、全面体当たりの3年間を過ごしました。
卒業して23年経ち、本当に立派になったと思いますし、こうして出前授業をしてもらえることは、教員としてこの上ない喜びです。
しかも、この日は社長様も含めて8名もの方々に御来校いただきました。
計画から準備、実施に至るまでW君の頑張りがひしひしと感じられました。
残念だったのは、風がUAV(ドローン)の飛行条件から外れてしまい飛ばせなかったことです。おそらく生徒はこれを一番楽しみにしていたと思います。
「当社は航空会社であるので、飛行条件は遵守する。何かあったらインシデント扱いになるし、何よりも安全が第一である。」
というW君の説明に皆納得したとともに、技術者としての心構えも勉強になりました。
自分の教え子が成長し、出前授業に来てくれる。
そして、この会社に生徒が入社し、育成され、技術者として成長していく。
こんなサイクルが日本の工業界を成長させ、さらに魅力的にしていってくれるものと確信しています。