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モハマヤバート誕生秘話〜仙人夫のお告げ

インドに行って帰国して
適当な仕事をしてお金を貯めて。

そんな生活もいいけれど
自分が好きなことを仕事にして、
『生活自体』がもっと遊び場みたいになればいいなぁと
と漠然と考えていた頃。


周りには就職している人はほぼいなくて
みんな自分のできることで
生計を立ててる人が多かった。

田舎や山で暮らしながら仕事をするって
どうやってるの??と、思っていたけど

畑で野菜を作ったりしながら
自分の家族を細々と満たす程度の
現金収入を得つつ、
慎ましく暮らしている人が多かった。

そんな『地に足がついた暮らし』を
している諸先輩方が、
とっても羨ましく見えはじめたのは
2度目のインドから帰った後ぐらいからだった。


カレー屋誕生のお告げ


何度もカレーを作っては夫や友達に食べてもらったり、
夫のバンド仲間が遊びに来た時には
10人分のカレーを作る、
なんてこともやるようになっていた頃に
夫が仙人的お告げを降ろしてきた。


これいけるんちゃう?


日本で食べれるインド料理は、
ノンベジ(動物性の肉などを使った料理)の
コッテリしてるバターチキンやナンが主流だけど
ベジタリアンが食べれる家庭料理なんてないから、
これいけるんちゃう?

夫はペスカタリアンで
(魚は食べるベジタリアン)
私は乳製品も食べないビーガンだったので
作るカレーはいつも植物性のみの
ビーガン料理ばかりだった。

インドで外食をすると、
地方によっては乳製品を多用するけど
ストリートの安い食堂に行けば、
ほとんどがビーガン料理。

私がご馳走になったインドの家庭料理は
ほぼ100%に近い割合でビーガンだった。

乳製品といえば、唯一チャイが家庭で出てくる位で、

『ビーガン』とわざわざ意識しなくても
野菜や豆・スパイス・オイル・塩
という至極シンプルな食材で
日々の料理が作られていたのだ。

日本ではまだまだ少ないけど
ある一定数はベジタリアンや
ビーガンが存在しているから
喜んでくれるお客さんがいるだろうから
“いけるんちゃう”ということ。

夫はなんの展望もなくお告げを降ろしてきたけど
大変素直な私は

『えーー!!それやってみるーーー!!』
と心に決めたのだった。

それは確か、1杯500円のカレーで
北海道に行ってから
しばらく経っていた頃だったと思う。

希少価値を感じて


あの時に500円のカレーを売れたのはまぐれで
まさか、あんな突発的なことが仕事になるだなんて。

自分では深く考えずにやったことだったけど
改めて自分がやってることの
希少性・特異性を認識した。

今でこそ間借りのカレー屋さんはかなり増えたけど
そのころは、ベジタリアンのカレー屋や
家庭料理を提供しているお店もほぼなかったと思う。

とにかく
インドカレー=インネパ系のカレー屋
コッテリのカレー&バターたっぷりのナン

そんなイメージしかなかったから
自分が出来ることに光を感じたのと
必要とされるかもしれない!
喜んでくれる人がいるかもしれない!

という希望が生まれた。


そして、さすが仙人的お告げである。

そこにはなんの展望も具体的方法も
やり方も、全く示されないお告げなのであった。


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