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ヒナドレミのコーヒーブレイク      雨の朝に

   こんにちは、ヒナドレミです。これは雨の朝の出来事です。
                  
                                                     雨の朝に

    夏至を過ぎた とある日曜日のこと。その日は朝から小雨が降っていた。しかし私は、買い物に行く必要があった。できることなら翌日にしたかったのだが、その日に行った方がベターだと判断した。私は小雨の降る中、家から一番近くにあるコンビニへ出かけることにした。荷物になるのがイヤで、折り畳みの傘を持っていくことにする。家から10分ちょっとの距離なので、傘を差さなくてもいいかなと思ったが、思った以上に降っていたため、結局 傘を差すことになる。

    そのコンビニに行く際に通る道は、通勤で利用する道ではなく、スケッチをするためにお寺に行く時と、そのコンビニに行く時にしか通らない道だった。小雨の降る初夏の日曜日の朝、人通りはそこまで多くなかった。というより5~6人の人とすれ違っただけだった。

    雨に洗われた緑の木々が、一層深い緑色に見える。木の葉の上に溜まった雨水が、一瞬キラリと輝いて見えた。雨空の下、そこここで見知らぬ花が咲き誇っている。私は思わず、その花をスマホのアルバムに追加した。

    梅雨の時期、陽の光が恋しい季節ではあるが、雨の日も悪くない。しかも、いつもと違う道を通っての買い物は、とても新鮮に感じる。「ここにこんな木があったかな」「この花は、前にこの道を通った時にも咲いていたな」などと、あれこれ考えながら歩くのも楽しい。そしてコンビニより少し先の、緑に囲まれた公園ともつかない場所(緑地?)まで足を延ばしてみた。しかしそこは行き止まりになっていたため、結局 戻ることになってしまった。「行ってみないと分からない時は行ってみる」というのが私の信条でもあり、信条に沿った行動をとったまでだ。

    その後 来た道を途中まで戻り、そこから違う道へ逸れた。少し遠回りになるが、何十分も遠くなるわけではない。緩い上り坂をゆっくりと進んでいく。そして右に曲がると、そこには今までに見たこともない不思議な花が咲いていた。思わず写メを撮った私だった。充実した朝のひとときを過ごすことが出来て、私は満足だ。                                                                                                                                                  完

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