教育現場の裏側:元教員が明かす「退職を決めた理由」とは?
先日、元教員目線からこんなツイートをしてみた。
私は某大手IT企業で働いていたが、長年の夢だった小学校教員になるため転職を果たした。定年退職まで教員として働くつもりだったある日、教員としてのやりがいを見出せなくなってきている自分に気付き、結局教員から民間へ再転職することになった。
そんな私が教員を退職するに至った経緯や理由についてまとめてみた。
確かに「やりがい」はあったが
教員はやりがいがある。確かにそう思う。実際私もそれを求めて教員になった身だ。一度きりの人生だからやりたいことをやりたい。そう思い、一大決心をして教員へ転職した。
しかし。やりがいは「自分でやりたいと思うこと」ができて初めてやりがいになる。年次を重ねるとともに、私はある真実に気づいてしまった。
と。いつの間にか地域や学校全体の風習や非効率的な作業を自然に受け入れてしまい、周りの目ばかりを気にした画一的な指導しかできなくなってしまった。
これが私の指導スタイルでした。そんなスタイルを貫くことができなくなった事例がいくつかある。(以下、私以外のクラスの事例も含む。)
お楽しみ会にて
お楽しみ会で子どもたちの企画したゲームで楽しく遊んでいると、「あんなことをして遊んでいる暇があるのですか?」という管理職からの嫌味。
タブレット使用禁止令
タブレットを使った授業で一度トラブルがあっただけで、「あなたのクラスではタブレットを使った指導を禁止します」という、担任と子どもの学習機会を奪う外部からの強制指導。
狂気のクレーム対応
クレーム気質のある保護者の子どもに対しては、保護者の言うことを全て聞き入れる(特別扱いする)ような半ば命令のような指示。
などなど。
いつの間にか「トラブルを避けるための指導」が大前提となり、教員一人ひとりがもつ、子どもたちに対する強い思いや指導方法が大きく制限される機会を目にすることが増えました。担任の先生方は、「子どものため」ではなく、「大人の都合」に合わせて操られているだけのような印象さえ感じた。
しかしそれは、複数の大人がチームとして働く組織ではさけて通れない部分でもあります。管理職や先輩の一言次第では、自分のやり方を180度変えざるを得ないこともある。実際、管理職はトラブルが起こると管理責任を問われます。そのために一番避けたいことは、やはり保護者クレームなのだ。
しかし。そんな見せかけの評価のために、上から言われたことだけを淡々とこなすことは、果たしてやりがいと呼べるのだろうか。
子どもたちの安全を守るのも仕事。そんなのは百も承知だ。しかし。子どもたちの無限の行動力や好奇心を刺激できない指導に何の意味があるのか。私がこのまま教員を続けることに意味はあるのか。
そんなことを考えていた矢先、残業まみれの私の体に異変が生じ、突然学校に行くことが怖くなった。
体を壊してはじめて気づく、教員という働き方の異常さ。
そんな体を壊す予兆にもなった私が教員から転職するきっかけを、通勤前と退勤後に焦点を当て、4つまとめた。
転職のきっかけ
①とにかく休日が楽しくない
ある日曜日の夜10時。私は友人とモンスターハンターをして遊んでいた。モンスターといってもペアレントの方ではない。一般的なモンスターである。
モンスターを討伐後、つないでいた音声通話ソフト「Discord」から友人の声が響いた。
ハッとした。私が狩りに夢中になっていたわけではない。頭の中で、明日月曜日の授業のことを考えていたのだ。狩りの最中、私はこんなことを考えていた。
うわの空でゲームをしていた。そのせいで無言になってしまったのだ。ゲームが趣味の一つである私にとって、これには思わず電流が走った。友人に謝罪をしつつも早めに解散し、温かいお布団で目をつむった。
②とにかく朝が早すぎる
こういう日に限って「寝坊して校長に怒られる夢」で目が覚める。眠い。眠すぎる。ちなみに私はいつもAM6時にアラームをセットしているが、遅刻が怖くてアラームが鳴る前には必ず起きてしまう。朝が早いせいで眠りが浅い。これは教員あるあるだと思っている。
③とにかく仕事のことばかり考えてしまう
眠い目をこすり布団から抜け出す私。朝の支度をする私に、月曜日の憂鬱な空気は「転職」の2文字を簡単に植え付けることに成功した。しかし私は考えた。
そんなことで悩んでいても、結局その2時間後には学校に到着していた。悩もうが悩まなかろうが仕事は始まる。そして終わる。
子どもたちが下校した放課後。明日の授業準備や会議、学年での打ち合わせや雑務をこなし、いつもよりは早い20時過ぎに退勤。
朝7時に学校に着き、20時に退勤(休憩なし)。13時間働き続けることが普通になってきている。教員は残業代も出ない。残業代、残業代、残業代、残業代・・・
とはいえ今日も無事1日が終わったことに安心し、ニッコリ笑顔で退勤する。体も心も疲れていようが、作り笑顔をしなければいけない仕事なのだ。
④とにかく転職する余裕がない
帰りの満員電車で、
と思うようになった。しかし。
この繰り返しである。
余裕がある時に転職しよう。なのに余裕があるときが永遠にやってこないのである。
この恐怖に気づいたとき、私は「とにかく考える前に、行動に移さないとまずい」ことに気付きました。そう思った次の日に、私は退職する旨を校長に伝えた。
さらに具体的に仕事を辞めた理由や教員を続けるデメリットについては以下記事にもまとめていますので、ぜひ見ていってください。
以上です。最後まで見ていただき、ありがとうございます。
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