続、建築探偵桜井京介シリーズを読み終えた話(ネタバレ無し)
本編の後に出た番外編を読み終えた。
これでこのシリーズは本当におしまいになってしまった。
このシリーズは珍しく、登場人物が歳を取る。
シリーズの始めの方では10代だった少年も、本編16冊の後では30代で元気に仕事をしている。
30代だった人はまさかの60代越えになっていて、とても驚いた。
一冊600ページ越えが当たり前の長編だったので、300ページもいかない短編集では物足りないかと思ったが、そうでもなかった。
なんだか読み終えたら安心してしまったのだ。
作中で色々辛い目にあった人達は、みんなその過去を乗り越えて穏やかに日々を暮らしていた。
本編ではないから、危険な事件に巻き込まれて命の危機だったりすることもない。
シリーズ読み始めた頃は、作中で時間が経ち、当たり前に登場人物が歳を取ることがとても意外でびっくりした。
ミステリーの名探偵はずっとサザエさん時空のまま、次々と難事件を解決していくのかと思っていたからだ。
でも、今はこれで良かったと心から思える。
多少の事件はあれど、彼らはこれからものんびりと穏やかな時間を暮らしていくんだろうな、という確信がある。
それが本当に嬉しい。
読むにはなかなか大変なシリーズだったけど、今年このシリーズを読めて良かった。
ここまで読み終えて良かった。
なんだかとても幸せな読後感だ。
本編16冊(しかも後半はほぼ600ページ越え当たり前)、加えて番外編もたくさん出ているためになかなかおすすめし辛いシリーズだが、興味のある人は是非。
後半はミステリーというより、登場人物の成長を見守る気持ちになっていたが、ハッピーエンドなのでご安心を。
年末年始のまとまった読書時間にいかがでしょう。