「仮面病棟」の話。
各所のミステリー好きでお勧めされている「仮面病棟」をついに読んだ。
面白かったしやられた！！となったので感想を。
ネタバレ無しにしたかったが、そうすると面白いから読んで！！になってしまうので、ネタバレ有りで。
主人公の外科医が、先輩に急遽シフト変更を頼まれて、夜勤に向かった病院。
療養型病院なので、のんびり寝当直するだけの気軽な夜勤のはずが、銃を発砲してコンビニ強盗したピエロマスクの男が人質と共にやってきて立てこもってしまう。
夜の病院というただでさえ怖い場所なのに、銃を持った凶悪な犯人が立てこもり、おまけに昔は精神病院だったので窓には鉄格子。携帯も圏外、病院に備え付けの電話も線を切られて通報できない。
しかもこの犯人が結構そこらじゅうウロウロしまくる。
急にピエロマスクの犯人が現れるものだから、もう怖い怖い！前半は軽くホラーか？と思ったぐらい、急に犯人がやって来て怖かった。
一緒に閉じ込められた院長と看護師2人もなんだか怪しい。
私は既に人質の、犯人に腹を撃たれて緊急手術した女性が怪しくて疑いまくっていた。
そして殺される看護師の1人。
色々調べるうちに、この病院で寝たきりの患者から腎臓を勝手に抜き取って違法に移植していたとわかる。
手術室へ直通の隠しエレベーターがあったりして、この辺はなんだかワクワクする。
そこから外を警察に包囲され、マスコミが押し寄せた中の謎解き。ハラハラする銃撃戦からの鮮やかな脱出。
当初から疑っていた通り、人質の女性は真の黒幕だったのだが、救出された中にそんな女性はおらず、警察にも記憶を疑われる始末。
この脱出がわからなかった！
病院の臓器移植で親しい人を失って、それで恨みを持ってなのか？と思ったが、警察とマスコミが殺到してる中からどうやって逃げられたのか？という謎。
まさかの川崎13は予想外だった！！
元々の病院の患者で、警察が来た時は患者としてやり過ごしてるとは！
最初の手術の時も妙に怪しいと思ったら、院長達に抜かれた腎臓の手術後を消すため。やられた！
真相がわかった主人公に、夜勤を代わった先輩医師から妙な電話がかかり、先輩も移植を手伝っていたと知って駆けつけた時には既に…というのも見事。
犯人の完全勝利だった。利用されたピエロマスクの男はなんだか可哀想だったが。
という訳で、お勧めされるのも納得のミステリーだった！途中から先が気になって一気読みしてしまったが、本当に見事なミステリーだった。
年末年始の読書に是非！